サラリーマンになりたてだった頃の失敗と気付きを記しておく。
既婚者の上司と食事するときは財布の中には千円札と小銭を常備すべし。
クレジットカードや電子マネーが使えるキャッシュレス時代でも念のために。
どういうことか?
財布に1万円しかない!
ある日上司と仕事で外出してとある定食屋で昼食をとった。
数百円の定食を食べた。
店を出るときにレジで精算しようとしたが、財布の中には1万円札が1枚と、小銭が少々しかない。
そのときはクレジットカードは持っていなかった。
仕方なく1万円札を払ってお釣りをもらった。
独身がうらやましい?
すると上司が真顔で「独身はいいよなー、好きなようにお金が使えて。お前、可処分所得100%だろう?」とのたまった。
可処分所得100%というのは、振り込まれた給料を全額好きなように使える「独身者特権」のことだ。
まさか、1万円1枚で他人からうらやましがられる(ひがまれる?)とは思っても見なかった。
今から思えば若気の無知だった。
いつも社員食堂でプリペイドカードで払っていたので財布の中身に無頓着だった。
が、同時にがっかりもした。
出世が早くても夢がない
彼は若くして管理職に出世した男である。
年収はわたしより遥かに高いはずである。
結婚して子どももいる。
「結婚、子ども、高年収」
男性サラリーマンとしての幸せを体現しているはずなのに、まだ不満が……?
がんばって出世しても「カネがない」と愚痴る毎日なのか?
わたしの中で「サラリーマンとして成功する夢」がまたひとつ壊れた瞬間だった。