理想的サラリーマンはいやしくも上司の命令には絶対に服従しなければならぬ。絶対に服従することは絶対に批判を加えぬことである。即ち理想的サラリーマンはまず理性を失わなければならぬ。
理想的サラリーマンはいやしくも上司の命令には絶対に服従しなければならぬ。絶対に服従することは絶対に責任を負わぬことである。即ち理想的サラリーマンはまず無責任を好まなければならぬ。
これは芥川龍之介著『侏儒の言葉』(青空文庫)の「兵卒」を書き換えたものだ。
侏儒の言葉
原文は、次のとおり。
理想的兵卒は苟(いやしく)も上官の命令には絶対に服従しなければならぬ。絶対に服従することは絶対に批判を加えぬことである。即ち理想的兵卒はまず理性を失わなければならぬ。
理想的兵卒は苟くも上官の命令には絶対に服従しなければならぬ。絶対に服従することは絶対に責任を負わぬことである。即ち理想的兵卒はまず無責任を好まなければならぬ。
本書を読んだとき、瞬時に、「理想的兵卒=理想的サラリーマン」だと確信した。
考えない、責任を取らない
仕事の意味を考えず、上司の批判はせずに言われたとおりに仕事して、責任は取らない……これが理想的サラリーマンだ。
このような働き方ができればもっと仕事は楽になるだろう。
よく「経営者目線で考えて仕事しろ」という経営者がいるが、従業員にすぎないサラリーマンは経営者目線で仕事をしても利益の分配にはあずかれない。
利益の分配はもらえないのに、責任だけ取らされるのはあまりにも「ハイリスク・ノーリターン」だ。
「成果主義」で息苦しいサラリーマンは生活を送っている人には「侏儒の言葉」はおすすめの1冊だ。