サラリーマンが貯金をする唯一の理由は「嫌いな人に頭を下げたくないから」だと思っている。少なくとも、わたしはそうだった。
完全リタイアとはいかないまでも、セミリタイアできるだけの貯金があれば、嫌いな人に頭を下げつづける毎日から逃げられる。
「30年以上先の豊かな老後のため」「いざというときの備え」というだけでは、あまりにも漠然すぎて、貯金の動機としては弱すぎる。
サラリーマン時代の仕事の99%は「嫌な人対策」だったので、「セミリタイアできるだけの貯金ができたらさっさと辞める」という目的が明確になっていた。
職場でストレスがたまればたまるほど、貯金もたまっていった。ストレス発散のため、給料が振り込まれるたびに3割を貯蓄用口座に振り替えた。ボーナスにはいっさい手を付けなかった。あまりいいやり方ではないが、これしか方法がなかった。