川島朗『医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト』(アスコム 2013) を読んだ。
「長期間働けばかえって”老後貧乏”になる。早期退職してストレスの少ない生活を送ったほうが、時間的・経済的に余裕がある人生となるんじゃないか」
と本書を読んで思った。
なぜなら、だんだん平均寿命が長くなると、「老後貧乏」の原因が「不健康」となる可能性が高くなるからだ。
「不健康」というのは、「長期間、過剰なストレスにさらされ続ける」こと。
ぶっちゃけ「老後の医療費と介護費」が、「老後貧乏」元凶なのだ。
なぜ、老後に医療費・介護費が膨らむのか?
「年をとったから」
それだけではない。
「若い頃にストレスの多い生活を送ったから」
これが一番大きいのではないか。
30代、40代の働き盛りの人は悩みのタネが尽きません。そのようなストレスに年中さらされていると、交感神経が優位になります。そして自律神経のバランスを崩すことによって、体に何らかの作用を及ぼしてがんを引き起こす一因となっている可能性があるのです。
p.28
仕事で無理しすぎて定年を迎える頃には廃人のようになってしまって、退職金と年金を病院と老人ホームに貢ぐ……これだけは避けたかった。
「年をとると医療費・介護費は増える、だから老後資金を貯めこむために長期間働かないといけない」
本書を読んでこんな思い込みから解き放たれた時、早期退職のハードルが少し下がるんじゃないのだろうか。