2020年米国大統領選挙はバイデン氏が勝利した(今後、法廷闘争や議会の大統領選挙があれば「大どんでん返し」があるかもしれないが)。
勝利演説の中で、旧約聖書の言葉を引用していた。
聖書は全てのことに季節が巡っていると教えてくれる。立て直し、稲穂を刈り取り、種をまき、傷を癒やす時だ。米国の傷を癒やす時が来た。
出典「分断でなく結束めざす大統領に」バイデン氏勝利宣言全文 (2020.11.8 日本経済新聞)
わたしが好きな「コヘレトの言葉 3章」だった。
演説の原文(英語)は次のとおり。
The Bible tells us to everything there is a season, a time to build, a time to reap and a time to sow. And a time to heal. This is the time to heal in America.
出典Joe Biden’s victory speech, annotated(2020.11.7 ワシントンポスト)
コヘレトの言葉は、「物事にはすべて”タイミング”がある。タイミングが悪いときは人間がいくらあがいてみてもうまくいかないから、じっくりとグッドタイミングを待つべきだ」、といった意味だとわたしは解釈している。
コヘレトの言葉
「コヘレトの言葉 3章」は次のとおり。
ちょっと長いけど、1節~13節までを引用する。
3:1 何事にも時があり/天の下の出来事にはすべて定められた時がある。
3:2 生まれる時、死ぬ時/植える時、植えたものを抜く時
3:3 殺す時、癒す時/破壊する時、建てる時
3:4 泣く時、笑う時/嘆く時、踊る時
3:5 石を放つ時、石を集める時/抱擁の時、抱擁を遠ざける時
3:6 求める時、失う時/保つ時、放つ時
3:7 裂く時、縫う時/黙する時、語る時
3:8 愛する時、憎む時/戦いの時、平和の時。
3:9 人が労苦してみたところで何になろう。
3:10 わたしは、神が人の子らにお与えになった務めを見極めた。
3:11 神はすべてを時宜にかなうように造り、また、永遠を思う心を人に与えられる。それでもなお、神のなさる業を始めから終りまで見極めることは許されていない。
3:12 わたしは知った/人間にとって最も幸福なのは/喜び楽しんで一生を送ることだ、と
3:13 人だれもが飲み食いし/その労苦によって満足するのは/神の賜物だ、と。
出典新協同訳1987 (コヘレトの言葉 3:1-15 時と、人間の幸福)
早期リタイアにもタイミングがある
わたしが「コヘレトの言葉」をかみしめたのは40代前半で早期リタイアしたときだ。
辞意を固めたものの、上司に退職を切り出す「タイミング」がなかなかやってこなかったから、イライラする日が続いた。
物事を成功させるには「意思」だけではなく「タイミング」も必要だ、と思い知った。
早期リタイアして9年ほど経過した今は「コヘレトの言葉 3章12節」の、
「わたしは知った/人間にとって最も幸福なのは/喜び楽しんで一生を送ることだ、と」
という言葉を実感している。
ルビ付き+なし版 口語訳(旧約聖書+新約聖書)+文語訳(旧約聖書+新約聖書)+聖書地図 Kindle版
ちなみにこの「#コヘレトの言葉」、#アメリカ大統領選挙 で #バイデン 氏が勝利演説のときに引用して話題に。
[要約]https://t.co/0z3Eo8fT5o
[詳しく]https://t.co/njFGfDTLV8記事にある「#種をまく」は本書の第6回、「#ものごとには時がある」は本書の第3回のメインテーマです。 pic.twitter.com/VtHIARdpJp
— NHK出版マーケティング局 (@nhkpb_text) November 12, 2020