お金がなくても知恵があれば日々満足して幸福に生きていくことができる。
以前「遊んで暮らすのが最高の幸福」で紹介した、青木雄二『ゼニの幸福論』を読んでそう思う。
本書はサラリーマン時代に初めて読んで、早期リタイアのきっかけの一つとなった本だ。
満足度・幸福度を高める「知恵」として、本書では刑務所の受刑者の食事法を紹介している。
刑務所ではご飯をおかわりできない。出された食事だけで空腹を満たせない場合に備え、受刑者は次のような「知恵」を使う。
刑務所での食事は、メシが盛りきりらしい(僕は食べたことがありません)。
おかわりは出ない。
腹一杯メシを詰め込むのは、人間としてのひとつの幸福である。
刑務所という楽しみの少ない世界で、メシの楽しみが半減してしまうのは、はなはだつまらないものやろう。
そこで、長年刑務所に入っている男は、ひとつの工夫をする。
「まず最初に、お茶をいっぱい飲んでおくんです。メシのお代わりはなくとも、出がらしのお茶くらいはお代わりが自由にできる。そやから、胃袋をお茶でいっぱいにしてからメシにとりかかる。最初からメシをがっついたら、そんなもん、すぐになくなってしまうさかいにね」
ということやった。
人間というのは、最低限のものが「ある」なら、
“工夫しだいで、満足度・幸福度を高めることができるもんや”
と感心したのであります。
いや、ほんま、こういう知恵こそ、人間の充実度を高める原動力である。
本書p.128
「お金を使わずに知恵を使う」
これがリタイア生活には必要だ。サラリーマン時代のように何でもカネで解決しようとすると、貯金なんかあっという間になくなるし、いくら年金をもらっても「足りない」「足りない」と愚痴る毎日になるだろう。
※上記の食事法はダイエットにも使えそうだ。最初に水分をたくさんとっておいたら少ない食事で満腹になるから。