会社を辞める時の最終的な判断基準は「貯金」だった。よほど度胸がある人でない限り、ある程度の「貯金」がないと前に進めないと思う。
わたしの場合、「10年間、浪費しまくっても大丈夫」なだけの貯金がある、と確信した時、
「会社を辞める」
ということが現実味を帯びてきた。
貯金はいくらあれば安心なのか
「浪費=年間100万円の無駄遣い」
と定義して、
(通常の年間支出+100万円)×10年 > 現在の貯金
という不等式が成り立った時にめでたく退職となった(実際は退職届を出すまで少しタイムラグがあったが……)。
じゃあ、無駄遣いしまくって10年後に無一文になったらどうするのか?
という心配があったかといえば、そんな心配はしたことがない。
もともと、あまりお金を使わない体質で、東京に転勤しても大して支出は増えなかった。
「世界一の高コスト都市で生活するのだから支出も激増するんだろうな」と覚悟していたが、大して増えなかった。
このとき、
「浪費したくてもできない体質なのだ」
「東京で低コスト生活できるのだから、どこで生活しても低コストで暮らせる」
と確信した。
10年先までしか考えられない
「一生遊んで暮らせるだけの貯金がないと不安だ。10年分の貯金だけでは不安だ。」
という意見があるかもしれないが、10年後より先のことは考えてもあまり意味がないと思っている。
今から10年間で、11年目以降生きていくための基盤を作る。
くらいの気持ちでいいのではないか。とりあえず、10年遊んで暮らすだけの貯金ができたら、あとはやりたいことにエネルギーを集中したい。
わたしは10年という期間を設定したが、他のブロガーの記事、著書を読めば「数年」とか「2年」とか、もっと少ない貯金で会社を飛び出しているようだ。
2010年末、長く勤めていた企業を退職しました。ブログはそれなりに有名になっていましたが、そのことと退職決断にはなんの関係もありません。
(中略)
数年分なら貯金もあるし、アジアなら必要な生活費も安いので何とかなるだろうと思ったのです。
ちきりん『「Chikirinの日記」の育て方』(Kindle版)
ブログで生活するにあたって僕は結構な額を貯金していました。この貯金があれば2年弱は暮らしていけるでしょう。これだけの貯金があることで、僕は余裕を持って過ごすことができています。
セーフティネットがチャレンジを後押ししてくれる(laugh-raku^^)
「一生遊んで暮らせるだけの貯金」を貯めこむためにやりたくない仕事にしがみつき続けるのは、「一生苦しんで暮らすためのストレス&病気」を溜め込むことになってしまう(実際、そうなりかけたので逃げた)。
貯金ができて「当面はなんとか暮らせる」という確信があれば、「会社を辞める」という決断しかできない。