バター3割以上増産へ 乳業大手が12月計画 (2014.12.4 日本経済新聞)
という記事によると、次のようなことがわかる。
・メーカーがバターの生産計画を農水省に報告している→バターの流通は国がコントロールしている
・バター不足でケーキなどの原料が不足して「クリスマスシーズンが台無し」になると選挙結果に影響するから対応を急いだ?
・農水省は「乳業メーカーはもうけの多い生クリームの生産を優先してバター不足に陥った」とコメントしている。バター不足が「責任問題」になっているようだ。必死で責任をメーカーに転嫁しようとしている。官僚もサラリーマンなので、責任を取らされるとキャリアが終わってしまう。
・生産計画、流通計画をすべてメーカーに任せておけば、少なくともバター不足にはならなかったのではないかと推測する。日本のメーカーなら、バターの需給バランスを取る能力はあると思う。
・農水省がバターの流通をコントロールするのは、おそらく「国内の酪農家の保護」だと思われるが、現実は酪農家が減っていっている。そして、バター不足まで発生してしまって流通のコントロールにも失敗していることがわかった。
・農水省は国内の酪農家保護もできていない、バター消費者の利益も守れていない(農水省の省益は守れた?)。
一体、この年の瀬にバターが不足して誰が得したんだろう……。
「日本では何でも売っている、モノであふれている」と思っていた。
スーパーのバターの棚だけがぽっかり開いていて「崩壊寸前のソ連」とダブってしまった。
むかしむかし、ソ連のスーパーの棚に何もなく、客が行列を作って食料品を買っている姿がテレビのニュースに映し出されていた。
国家が経済統制して失敗するとどうなるのか、ソ連の崩壊で学んでいるはずだ。