あけましておめでとうございます。
2015年(平成27年)はいきなり大雪からのスタート。
働くヤツはバカ?情弱?
2015年新春、最初に紹介する本は、神永正博・小飼弾『未来予測を嗤え!』(角川書店 2014)。
タイトルから想像するのは「ビッグデータを活用した未来予測」についての書だが、わたしが特に惹かれたのが「これからの稼ぎ方」について。実は個人投資家にとって非常に勉強になり、かつ勇気づけられる本でもある。
つまり「不労所得バンザイ」なのだ。
日本の税制は「勤労所得者に不利に、不労所得者に有利になっている」という(他国の税制も同じだろう)。
本書で言うところの、
働くヤツはバカ、情弱
ということになる。
勤労所得原理主義からの脱却
お金を稼ぐ方法には2つある。
汗水たらして動きまわる「勤労所得」と、
資産から利息・配当・賃料等を得る「不労所得」だ。
この2つの方法は、お金を得るという点では同じように見えますが、実はまったく異なります。労働による対価に掛かる所得税は累進課税。ところが、不動産などの資産に対して掛かる税金は固定なんです。だから、少なくとも税制という観点から見た場合に限っても、働くヤツはバカ、情弱ということになってしまう。
p.101
例えば株式投資だと、100万円稼ごうが100億円稼ごうが、税率は「20%+復興増税」だ。だから金融資産が多ければ多いほど税負担感が小さくなる。
本書では株式や不動産のような「金の卵を生むガチョウ」を保有する「オーナーシップ」をもっと重要視すべきという。
労働の尊さを、わたしたちは小さい頃からすり込まれていますからねえ。所有しているビルからの家賃収入で暮らすのが素晴らしいなんて、学校の先生は言ってくれません。オーナーシップによって働かずに収入を得ることの重要性は、もっと広く知らされるべきですね。
p.102
不労所得に学歴・資格はいらない
不労所得の一番のメリットは「学歴、ビジネススキルを問われないこと」だ。個人の能力に関係なく、資産を「持っている」だけで収入が発生する(もちろん、株や不動産の資産価格が暴落する危険性があるので手放しでは喜べないが)。
これから平均寿命がどんどん伸びていくと思うので、年をとって体力が落ちても「勤労所得だけ」というのは肉体的にも精神的にもかなりキツイと思う。年金だけというのも心もとない。ただ、いくら年金不足を補うとはいえ、70歳を超えて自分の孫くらい年齢の上司に怒鳴られながら仕事できますか?
ストレスの多い「勤労所得」は最小限にして、いかに「不労所得」を最大化するのかが、長寿社会をラクに生きるポイントなのではないか、と本書を読んで感じた。