ノーベル賞お墨付きの投資理論で最適な分散投資をしても大損するかもしれない。
先日紹介した本『未来予測を嗤え!』(神永正博・小飼弾(著), 角川書店, 2014)によると、
「現代ポートフォリオ理論」にもとづいて金融資産を株、国債、REIT、外貨などに分散投資しても、それが最適かどうかはまったくわからない。
分散投資は机上の空論?
金融資産がすべて株だけだと危ないが、国債やREITなど、色々な資産に分散しておけば株に100%投ずるよりも大損することはないと思われている。
しかし、経済や株価のデータを精密に研究した結果、どうやら分散が存在しないことがわかってきました。分散が存在しないとなると、「標本を多く集めれば集めるほど、より母集団に近い推測ができる」とは言えなくなってしまうんですよね。
(中略)
投資の世界では、分散投資におけるリスクを算出するために、現代ポートフォリオ理論(合理的な投資家がどのように分散投資を行うかを決定する理論)が用いられていますが、これなどもすべて「分散が存在する」ことが前提です。
p.17
現代ポートフォリオ理論の「前提」が崩れている?
リーマン・ショックが年中行事になる可能性
うーん、となれば、「最適な分散投資が最悪の結果」をもたらす可能性があるということか。
「分散が存在しない」ということは、リーマン・ショックのような株価大暴落が「100年に一度の大暴落」とは言えなくなり、「年中行事のように毎年起こる」可能性があるのか。
下図のように「アセットアロケーション分析」して「最適なポートフォリオ」を組んでも、それが「最適」である保証はどこにもないことになる。
では、将来が予測できないわれわれは、どのように投資すればいいのか?
これはネタバレになってしまうので、本書を読んでください。
ヒントは「分散投資はするけど、分散投資が失敗した時に備える」。