「辞められない」という不幸

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“「残業代ゼロ」法案を閣議決定 裁量労働制も拡大” (2015.4.3 朝日新聞デジタル)

という記事によると、「金融商品の開発や市場分析、研究開発などの業務をする年収1075万円以上」の労働者について、残業代は支払われず、

「成果で評価」されるという。

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残業ゼロ法案は資本主義の宿命


ちょうど『超入門 資本論』(木暮 太一(著), ダイヤモンド社, 2014) を読み終えたところで、本書によるとマルクスは『資本論』で

成果で評価するような「出来高制の賃金」とは、会社が引き受けていた「リスク」を労働者に転嫁すること

としている。

従来なら経営上のリスクはすべて会社が引き受けていて、労働者は成果にかかわらず定収入を受け取れていた。

しかし、経営リスクがだんだん高くなるのが資本主義の宿命だから、もはや会社だけでリスクを引き受けられなくなっているのだろう。

何の成果もないのに安易に賃金を上げると「倒産リスク」が高まる、という危機感が企業側にあるのだと思う。

安倍政権がグローバル資本に優しく労働者に厳しい、というわけでなく、資本主義がすすむと「企業で働く」ことがどんどんハイリスクになってしまう、とマルクスは言う。

この法案の反論として、記事によると、

働きすぎを防いできた労働時間の規制が外れるため、労組などは「働きすぎを助長し過労死につながりかねない」などと警戒している。

過労死が増えるのは「辞められない」から


労働基準法では「1日8時間」という規制があるが、これがなくなると会社が労働者を酷使して過労死が増える危険性があるというのだ。

本書(『超入門 資本論』)では、このように過労死が増えるのは「その労働者が辞めることができないから」だという。

なぜ仕事がキツイ職場を辞められず、過労死するまで働く危険を感じるのか?

「その企業で働くしかない労働者」には2種類います。「怖くて動けない人」、もうひとつは「実際に他で働く能力がない人」。

(中略)

みなさんが新しい仕事を見つけることに恐怖を感じてしまえば、現在の企業に「しがみつく」ことになります。何があっても企業の命令に従わざるを得なくなります。

p.226


では、会社から過剰なリスクを負わされたり、過剰なストレスを感じて「ここはヤバイ……辞めたい」と思ったときに、軽やかに転身するにはどうすればいいのか。

詳しくは本書で。

どんどんリスキーになる資本主義社会に殺されずに生き延びる方法を、本書で学んだ。

スポーツやゲームを始めるのに、ルールを知らずにプレーをする人はいません。
しかし、労働や給料のルールを知って働く人はごくわずかです。
それでは、スキルをどれだけ磨いても「負け」ているのです。

『資本論』には、この世の絶対ルールが書かれている

『資本論』は共産主義の経済学ではなく、
資本主義経済の本質を解き明かしている本です。

超入門 資本論』内容紹介 (Amazon)

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