インフレになって、「預金金利<物価上昇率」となると預金の元本が目減りする。
だから「貯蓄から投資へ」といのは早計だ。
インフレリスクを回避するには「1年ものの定期預金」でよさそうだ。
定期預金は意外にインフレに強かった
「インフレに預金は弱く、株式は強い」は本当? (AllAbout)
によると、1992~2013年の21年間で、消費者物価の上昇率が定期預金金利を上回ったのは1997年、2013年の2回だけらしい。
過去21年間の消費者物価指数の上昇率の平均は0.01%、定期預金は0.59%、10年国債は1.86%です。こうしてみると、「定期預金は、インフレリスクに対応できない」とは言い切れないようです。
上記記事
「1992~2013年というのは”デフレ真っ最中”の時期なので物価上昇率がマイナスの時期だから、定期預金金利の方が高くなるのは当然だ」、という反論があるかもしれない。
日本経済がデフレになる前の1980年から定期預金金利とインフレ率を比較したデータがあったので見てみると、バブル崩壊前のインフレだった頃でも、定期預金金利の方が高い。
参考文献日本経済新聞社(編)『なっとく!マネー塾』(日本経済新聞社 2005) p.196
1980年は第2次石油ショック(イラン革命)の影響で定期預金金利より物価上昇率の方が若干高いが、1981~2004年の間、1997年を除いて、定期預金金利の方が高い。
ちなみに1997年は消費税が3%から5%に上がった年だ。
預金金利が6%以上あった時代
1980~1985年は定期預金金利が6~8%だった。
すごい。
これだけ金利が高ければ、定年まで働いて、退職金を定期預金にしておくだけで利息で生活できただろう。
退職金が3,000万円で定期預金の利息が6%だとすると、退職金を定期預金したら利息は年180万円だ。
今は低金利過ぎて「利息だけで生活」はできないけど。
2015年5月現在は、アベノミクスの金融緩和で金利が低く抑えられているが、インフレ対策として「1年ものの定期預金」はアリだと思う。
もしくは、個人向け国債(10年・変動)でも(中途解約すると元本割れする場合があるが)定期預金と同じくらいインフレ対策ができる。
「インフレ対策したいけど、何に投資したらいいのかわからない」のであればとりあえず「1年もの円定期預金」もしくは「個人向け国債(10年・変動)」にしておけば、大ケガすることはないと思う。