セミリタイア生活は、今を楽しみながら、将来にも備えることが大事だ。
目先のことばかり考えると将来の生活費が心配だし、予測不能な将来の事ばかり考えると不安になる。
最近読み返した本、ショーペンハウアー『幸福について―人生論』 (新潮文庫 1958) の次の文で納得。
今を楽しむか、将来の心配をするか
我々の注意は一部は現在に、一部は未来に注がれるが、いずれか一方が他方を
害 うことのないように、両者の適正な振合いを得るこということも、処世哲学の重要な点の一つである。あまりにも現在にばかりに生きている人が多い。軽率な人たちがそれである。あまりにも未来にばかり生きている人もある。小心な苦労性の人たちがそれである。厳正に妥当な振合いを守っていく人はまずあるまい。
p.162
引用文中の「振合い」というのは「バランス」のことだと思う。
要するに、ショーペンハウアー先生が生きていた時代(1788-1860)でも、「現在のことしか考えない軽率な人」か「将来不安ばかりの人」のどちらかしかいなくて、「現在と将来のことについてバランスよく考えられる人」はいなかったということだろう。
現在も大して変わりがない。
お金は今使うべきか将来に回すべきか
特にお金について、現在と将来にどうやってうまく振り分けるかが悩みのタネだ。
今使いすぎると将来が心配だし、使わなすぎて余ったらもったいない。
「今使うお金は、将来必ず仲間を連れて帰ってきてくれる」
わたしはそう信じながら使うようにしている。
ちなみに、私が持っている本書は出版年が平成11年(1999年)の42刷だ。
Kindleでは本書の無料本(ただしドイツ語)がある。
Schopenhauer “Aphorismen (German Edition)”