40代でリタイア資金4000万円がゼロに、でも生きている

空と手

並木秀之『死ぬな: 生きていれば何とかなる』(新潮新書 2014) を読んだ。

著者は下半身に重い障害を持って生まれてきた。その後5度の「がん」、白血病、経営していた会社の閉鎖などの壁にぶち当たりながらも、生き残る。

セミリタイア中のわたしにとって興味深かったとところは、タイトルに書いた「40代でリタイア資金の4000万円がゼロになっても、生きている」ことだった。

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起業で稼いだ資産38億円が4000万円に

著者は35歳で独立して資産運用コンサルティング会社を立ち上げるが、40歳の時に白血病に冒される。

これ以上仕事が続けられない状態となり、会社の閉鎖を決断する。

仕事をやめると決断したときの著者の資産は38億円、負債が18億円だった。

これだけ見ると「資産から負債を差し引いた純資産が20億円だから会社をたたんでも経済的な余裕がある」と思える。

ただ、資産の中には不動産が含まれており、時価が大幅下落していたらしい。

会社を精算するにあたり、社員に退職金を払って、不動産を処分して、残ったお金は4000万円だった。

4000万円がゼロに

四千万円もあれば、一人で生きていくのに充分ではないか、と思われるかもしれません。しかし、そのときの私には四千万円が大きい金額とは思えませんでした。

p.127

確かに、健康な40歳の独身男であれば、4000万円のリタイア資金があれば何とか生きていけるかもしれない。

しかし、著者は白血病の治療中であり、保険外の治療法のため莫大な医療費がかかるから「4000万円は小さなお金」なのだ。

治療開始から1年半後に病気を乗り越え退院できたが、4000万円の資金は底をついていた。

病気は治ったけど無一文で無職、、、これからどうする?

お金はなくなっても、生きていれば何とかなる。

リタイア資金が不足だと思いこんで将来が不安なとき、勇気をもらえる書だ。

死の病に冒されて、仕事がなくなって、無一文になったとき、どうやって人生のピンチを切り抜けたのか、ぜひ本書で確認してほしい。

※「ケチ」「臆病」という性格は大きな財産なんだなと見なおした。

目次
第一章 ハンデをさらけだすことから始める
生まれた日は嵐/目に見える障害と見えない障害/身内でも臭いはきつい/手術による問題/カミングアウトから始める/友情が深まり、世界が広がる/「旅なんかできない」という思い込み/腫れものに触る態度の問題点/個人に即した情報が大切

第二章 ハンデから逆算して考える
アルバイト探しで痛感した現実/「世間体」というハードル/母との葛藤/先生の土下座/崖っぷちの予備校生活/ハンデからの逆算/ハンデが導いてくれたこと

第三章 世間の常識にとらわれない
大学教授になる気は満々だったけれど……/株との出会い/激安株を狙う楽しみ/潰れかけた会社へのシンパシー/家計を支えた株/バザーの会計を三年連続で黒字に/二十代女性Aさんの“思い込み”/仕事に才能は必要か

第四章 コンプレックスが生きる足場を築く
仕事で覚えた初めての“悔しさ”/他人の嫌がることでも苦にならない、という強み/コンプレックスは役に立つ/弱さと強さ/独立を考える/調子に乗り過ぎて……/膀胱がんで膀胱を摘出/持ち逃げ被害にあう/ふしぎな体験

第五章 功利的であることの強さを知る
「生かし屋」となる/裏社会の人たちとの出会い/転んでもタダでは起きないしたたかさ/「名」を捨て「実」を取る逞しさ/生きる意欲への共感

第六章 ただ生きていければいい
白血病で一年半の入院/今度こそまずい?!/会社をたたみ、財産を失う/病気経験の豊富さが与えた恩恵/生きるには絶対的に他人の存在が必要/思わぬところで助けを得る/利害感情のない励まし/ただ生きていければいい

第七章 メンツは捨てるためにある
シティバンクから声がかかる/徹底した実力主義/現状を受け止めて/メンツにとらわれる人たち/「わからない」とは言えないエリート/求められていることは何か/女の嫉妬、男の嫉妬/我欲にとらわれるのはエリートに限らない/私にも自己顕示欲はある/当たり前なことを当たり前に/物事の本質は複雑ではない

第八章 お金と幸福を切り離して考える
ファンドに出資する/現代の投資事情/スタンスは「臆病」/経済のグローバル化の本質は何か/経済的価値と幸福/まだ死ねない

死ぬな―生きていれば何とかなる―」(新潮社HP)

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