俺は朝から晩まで汗水たらして頑張っているのに、何で頑張っていないあいつと給料が同じなんだ!
と妬んでいる限り、どんなにホワイト企業に勤めていてもだめなんだなと、『新約聖書』を読んで感じた。
『新約聖書・マタイ伝』の第20章に「ぶどう園の労働者」という話がある。
ストーリーを現代の日本企業に置き換えてみた。
あるホワイト企業の話
とある会社の話。
その会社では社員を「日給1万円」で雇っていた。
社長が9時にハロワに出かけて行き、仕事を探している人たちに「日給1万円払うから私の会社へ行きなさい」と呼びかけた。
昼の12時と午後3時にもハロワに出かけて行って同じように「日給1万円払うから私の会社へ行きなさい」と言った。
午後5時に社長がハロワに行くと、まだ仕事が見つかっていない人たちがいたので、彼らを雇って自分の会社へ行かせた。
その後、夜になって社長は自分の会社に戻り、部長に言った。
「社員たちを呼びなさい。一番遅く出社した人たちから順番に給料を払ってやりなさい。」
そこで、部長は午後5時に出社した社員から順番に1万円ずつ給料を渡していった。
最後に、誰よりも早く出社して夜まで働き詰めだった社員が呼ばれた。
彼は「1万円よりももっともらえるだろう」と思っていたが1万円をもらっただけだった。
彼はムッとした。
午後5時から出社して1時間しか働いていない社員が1万円もらったので、「早朝から頑張っている自分」はもっともらえるだろうと思ったのである。
でも他の社員と同様、1万円しかもらえなかった。
早朝から「頑張っている」と思っていた社員は社長に不満をぶちまけた。
「私は朝から晩まで我慢して頑張って働いたのに、何で1時間しか働いていないヤツと給料が同じなんですか!不公平だ!!!」
社長は言った「私は”日給1万円”という約束で雇っているのだ。さっさと日給1万円をもらって帰りなさい。社員には労働時間に関係なく同じ額の給料を払ってやりたいのだ。社長である私が社員にいくら給料を払うかは私の勝手だ。それとも、私が誰にでも気前よく給料を払うのが妬ましいのか?」
妬みが地獄を作る
わたしが思うに、この会社は「成果や労働時間に関係なく誰にでも同額の給料を払うホワイト企業」なんだ。
でも、
- 頑張らないとお金をもらってはいけない
- 俺はあいつよりがんばっているからあいつより給料が高くて当然
- 自分より楽してお金を稼いでいるヤツが許せない
という「妬み」を持っていると、どんなホワイト企業もブラックに思える。
他人を妬んでいる限り、どんないい環境にいても地獄になる。
売り上げランキング: 143,507 (2024.4.5)