木原直哉『東大卒ポーカー王者が教える勝つための確率思考』を読みなおした。
本書は著者の本業である「プロのポーカー」の世界について書いた本だが、投資やビジネス、人生についても役に立つ。
日本ではポーカーといえば運まかせのギャンブルというイメージが強いが、アメリカでは「スポーツ」「ビジネス」という色合いが濃いという。
WSOP(ラスベガスで開催される世界最大のポーカートーナメント:ブログ管理人注)は断じて賭場ではありません。また、自分もギャンブラーという自覚は一切ありません。むしろ、常に冷静で、アツくなることは皆無と言ってもいいくらいです。アツくなっても得なことはないからです。
p.8
これは株式投資にもものすごくあてはまる。
運用結果は運まかせで、結果に一喜一憂してアツくなる……確かに1円の得にもならないな。
投資は冷静に
2016年は年明け以降、株価にアツくなることが多々あったので自戒の念も込めて読んだ。
プロは「得にならないこと」は絶対にやらない、ということか。
次の言葉はポートフォリオの組み方の勉強にもなる。
自分にとってのギャンブルの定義は、自分の実力や資金の「分」を超えたお金を賭けることです。もしくは、期待値がマイナスなことにお金を賭けることです。
(中略)
プロは、基本的に勝てそうにない勝負はしません。リスクが大きすぎる割に、期待できるリターンが少なければ長期的には必ず損をするからです。
p.9
もちろん、プロとして「勝てない勝負はしない」と心がけていても「結果が裏目」になることはあるようだ。
ただし、そこで落ち込まない。
個々の勝負の結果に一喜一憂しない。
長期的にみてプラスならやる
なぜなら、長期的に見て必ずプラスになると信じているからだ。
プラスかどうかをどうやって判定するのか。
それは自分で「幸福」の定義をして、自分が「幸福の最大化」に向かって進んでいると判断できれば「プラス」なのだ。
一時的に損することはあるけど、最終的には必ずプラスになると信じきれるかどうかがポイントだ。
自分が今いる場所で、いかに期待値を上げて長期的な収益を上げていくか、勉強になる1冊だった。