セミリタイア生活を極めるとキーエンスみたいに幸せなお金持ちになるのか

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高層ビル

先日読んだ本『決算書はここだけ読め!』が面白かったので、引き続いて同じ著者の会計本『会計士は見た!』(前川修満著 文藝春秋 2015) を読んだ。

本書は「色んな意味で」世間を騒がせた有名企業の決算書を読み解いて、会社の真の姿に迫る。

優良企業だけでなく、父娘でもめたあの会社や、粉飾決算で経営危機のあの大手メーカーも。

取り上げられている会社は8社。

  • ソニー(6758)……赤字決算にもかかわらず、なぜ多額の法人税を納めているのか?
  • 大塚家具(8186)……トップの座を巡る父と娘の対立は、実は日本型経営と米国式経営の対立だった。
  • コジマ(7513)、日産(7201)……正社員のリストラで沈んだコジマ。カルロス・ゴーンのリストラでV字回復した日産。コストダウンでは絶対削ってはいけない数字がある。
  • キーエンス(6861)……企業平均年収1600万円超。「工場がない製造業」はなぜ儲かるのか?
  • スカイマーク(9204※1)、江守グループホールディングス(9963※2)……倒産する企業はまず決算書のここに赤信号がともる。
  • 東芝(6502)……監査が見逃した「ソフトウェア開発の数字」に、異常事態がはっきりと現れていた。

※1 スカイマークは2015年1月28日に上場廃止。※2 江守グループホールディングスは2015年5月31日に上場廃止。

この中でわたしが一番興味を引いたのは「キーエンス」(大阪市東淀川区)だった。

なぜなら、キーエンスのバランスシート(貸借対照表)が「幸せなお金持ち」に似ているからだ。

本書を読んで思った優良企業の共通点は「社員に無理をさせない」「生産性が高い」「だから社員に高給を払っても経営を圧迫しない」。

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固定資産を持たない幸せ

本書によると、キーエンス社員の平均年収は1,648万円、平均年齢35.6歳、平均勤続年数11.8年だ。

これは、大手総合商社(三菱商事、三井物産、住友商事)や東京のテレビ局(日本テレビ、TBS、テレビ朝日)のような「高給取り企業」を超える数字だ。

大阪に本社がある地方のメーカーの社員が年平均1600万円超ももらえるのはなぜ?

理由のひとつは「自社工場を持たない」ことだ。固定資産を最小限にすることでリスクを減らしている。

まるで、井原西鶴の『日本永代蔵』に出てくる京都のドケチ男みたいだ。

その他の詳しい理由は本書を参照してほしいが、わたしが「幸せなお金持ち」だと思ったのは次の点だ。

  • 金融資産(現預金・有価証券)が潤沢にある
  • 固定資産(工場)を持っていない
  • 無借金
  • 剰余資金がじゃぶじゃぶあるのにリスキーな投資をしない

禁欲的な会社

本書によると、キーエンスは「禁欲的な会社」だという。

なぜなら、これほど剰余資金が蓄えられた会社というのは、投資余力が大きいこともあって、いろいろな投資の誘惑にかられることが多いはずだからです。しかし、キーエンスは、そのような投資活動を行っていません。それゆえ、預貯金と(一時的な資金運用の)有価証券の残高が異常に膨れ上がっているのです。

p.147

うなるほど現預金があるのにリスクのある投資はしない。

有価証券は持っているけどほとんどは低リスクな公社債。

当社グループは、安全性の高い債券等の金融資産で運用しております。

キーエンス「有価証券報告書第45期」p.35

これ、これがセミリタイア生活の理想なんだと思う。

潤沢すぎるほどの預貯金があるけど、無理な投資(&仕事)はしないで質素にマイペースで暮らす。

維持費がかかる固定資産はなるべくもたず、資産は流動的な金融資産にしておく。

金融資産は現預金と公社債だけ。

キーエンスの経営姿勢、ポートフォリオに「セミリタイア生活の理想」を見た。

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