2016年になって、セミリタイアをテーマにした書籍をちらほらみかけるようになった。
セミリタイアの(わたしの)定義は次のとおり。
- 若い頃はがむしゃらに働いて、貯まったお金を運用して金融資産を増やす。
- 定年よりも数年以上前に本業(多くの場合サラリーマン)から引退(退職)する。
- 退職後は自由時間を楽しむことを最優先にしてマイペースで仕事をする。
最初に見かけた本は『今すぐ会社をやめても困らないお金の管理術』(井形慶子著 集英社 2016) だ。
早速読んでみた。
セミリタイア本ブーム?
本書はセミリタイア、Uターン、田舎暮らし、介護などの理由で「早期退職」することを前提にした資産運用法を提案する。
最後まで自由でいたい。好きな場所で暮らしたい。このような選択権を持つには、それなりの蓄えと情報が必要です。
p.83
本書を読むと、いつ実現するかわからない「収入増」や、チマチマした節約に依存するのではなく、支出に「主体性」を持たせることが大事なのだとわかる。
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次に見たのは書店で、中川淳一郎『好きなように生きる下準備』 (ベスト新書 2016) という本だ。
実はまだくわしく読んでいないのだが、帯に「40代で引退できるフリーの遺言」とあった。
「40代で引退する」ということは、「30代までしっかりと働いてスキルや金融資産を蓄積して人生後半を楽しくしよう」という趣旨の本だと推察する。
いずれ読んでみたい。
このように「いかに長く会社にしがみつくか」ではなく、「いかに早く引退(退職)してその後の人生をお金に困らずに自由に生きるか」をテーマにした書籍が登場し始めている。
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夢や現実逃避で会社を飛び出して家計破綻しないための「具体的なノウハウ・考え方」を身につけるための本が、今後も出てくるかもしれない。
セミリタイア生活に関心が集まっているのか
マスメディアのサイトでも「セミリタイア」に関する記事が増えてきているように感じる。
例えばこんな記事があった。
参照40男が「海外セミリタイア」したら悲惨なことに…現地女性にダマし取られた額は3000万円以上 (2016.6.10 週間SPA!)
記事要約すると、40代バツイチ男性が5000万円で早期リタイアしてタイに移住したけど、付き合っていた女性にお金と家(コンドミニアム)を騙し取られた。
これは失敗例だけど、セミリタイアが個人のブログではなくマスコミに取り上げられている。
世間では定年を延長して60歳以後も会社で働く人が増えている一方、計画的に早期退職して自由を謳歌する人も増えてきているのだと思う。
わたしの早期退職はあまり「計画的」とはいえないが(笑)。
バブル崩壊後の不景気、株主重視経営による人件費節減、会計ビッグバン以降の厳格な決算報告義務化などで、会社に余裕がなくなり、「会社に居づらい」と感じているサラリーマンが増えているのが「セミリタイア」増加の原因かもしれない。