もし、過去に戻れるとしたら。
早期退職を本気で考え始めた頃に戻ることができて、自分に声を掛けられるとしたら、
「貯金の額なんかどうでもいいから今すぐ退職願を出せ!」
と言ってやりたい。
お金がないという思い込みで早期退職できない
「大丈夫、今すぐ辞めてもお金に困ることはない」
とも言ってやりたい。
30代後半、早期退職を本気で考えてはいたが、
「まだまだ貯金が足りない」
「定年前に会社を辞めたら世間体が悪そう」
「上司や家族に退職を反対されるのではないか(実際に反対された)」
「仕事が忙しいときに、急に辞めると同僚に迷惑がかかる」
とか「言い訳」して、退職を言い出せないでいた。
特に、「今の貯金で早期退職して、生活費は足りるのか?」という「絶対に解けない問題」のハードルが高かった。
しかし、実際に退職してみると、そんなにお金は減らないし、むしろ純金融資産ベースでは増えている。
お金の問題だけで早期退職できない(しない)のは非常にもったいない。
早期退職できるかどうかは「お金」の問題ではなく「自信(勇気)」の有無の問題だ、と今になってわかった。
自信はお金に変換できる。
自信がなければ、サラリーマン時代に貯め込んだ手持ちのお金をチビチビと(逐次投入して)取り崩す生活となる。
早期退職後の資金源
結局、早期退職を考え始めてから実際に退職願を出すまでに5年かかった。
絶対にお金に困らないレベルの貯金ができたわけでない。
「今すぐ会社を辞めてしばらくのんびりしたい」
という「欲望」がむくむくと大きくなってきたからだ。
会社を辞めて何か別の仕事がしたかった、というわけではない。
しばらくのんびりしたいといいながら、5年以上のんびりしている(笑)。
ただし、「のんびり=無為無収入」ではなく、会社から離れて心を休ませること自体が実は資金源になるのだ、ということも退職後にわかった。
会社を辞めるまでは「収入=時給×労働時間」という方程式しか知らなかったから仕方ない。
退職すると「労働時間=ゼロ」となるから、左辺の「収入」もゼロとなると思い込んでしまう。
では、退職後はどんな方程式が成立するのか……これは追々語っていきたい。