先日、こんなツイートを見つけた。
インタビューを受けた人が悪いのか(普通、記事になる前にチェックするはずですが)、記事を書いた人が悪いのかは、分かりませんが、記事の内容は信用しない方がいいクズです。(たとえば、iDeCoに掛け金所…#NewsPicks https://t.co/UxC10jOCGg
— Hajime Yamazaki /山崎元 (@yamagen_jp) 2018年2月24日
確定拠出年金で定期預金を選択するのは不適切というのだ。
ツイートで怒りの対象となっている記事はこれ。
参照ノーリスク確定、元本割れなし! 「iDeCo」に全額、定期預金で利回り30%の裏ワザ (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
確定拠出年金(iDeCo)で定期預金を積み立てていけば「ノーリスクかつ元本割れなし」で節税できるとのこと(投資で「ノーリスク」や「元本割れなし」という言葉が出てきたら疑うべきだ)。
iDeCoに定期預金で積み立てると、積み立てた金額がすべて所得から控除される分、所得税と住民税が安くなる。
たとえば年収700万円の会社員が毎月2万3000円をiDeCoの定期預金で積み立てると、節約できる所得税と住民税の合計は8万4000円。安くなった所得税+住民税を「利益」と見立てるなら、その利回りは30%超になるのである。
出典ノーリスク確定、元本割れなし! 「iDeCo」に全額、定期預金で利回り30%の裏ワザ (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
年収700万円の会社員が確定拠出年金に毎月23,000円、つまり年間276,000円の掛金を定期預金に積み立てていけば年間84,000円の税金が控除されて年30%の利益(84,000 ÷ 276,000 ≒ 30.4%)となるとしている。
所得控除の効果はあるが……
確かに、確定拠出年金の掛金は所得控除されるから、元本割れのない定期預金に積み立てていけば、上記記事で言う「年30%の節税効果」はある。
ではなぜ確定拠出年金(iDeCo)で定期預金を選択することが問題なのか。
それは、老後に年金として受給するときに損する場合があるからだ。
利息がショボいと年金が元本割れ
なぜ、確定拠出年金の定期預金はダメなのか。
次の記事で調べてみた。
参照確定拠出年金を定期預金だけで運用すべきでない一つの理由(FPコラム) | MORNINGSTAR NISA徹底解剖
確定拠出年金を定期預金で積み立てて老後に「年金」として受け取る場合を考える。
具体的な計算結果は上記記事を参照してほしいが、要するに年金をもらうときに払う税金の額が定期預金の利息を上回ると、年金の手取額が元本を下回ってしまう。
老後に確定拠出年金を他の年金(国民年金(老齢基礎年金)や厚生年金(老齢厚生年金)等)といっしょに受け取ると、受取額によっては課税される場合がある。
その場合、確定拠出年金は元本(掛金)と利益(定期預金の場合は利息)に課税される。
課税された税額が定期預金の利息を上回ると、長年積み立ててきた定期預金の元本を取り崩して納税するというバカバカしいことになる。
超低金利が長期間続くと、年金を受け取るときに確定拠出年金が元本割れする可能性がある。
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ちなみに、わたしは確定拠出年金は定期預金で運用していない(すべて外国株投資信託)。