「人生100年時代」だからといって長く働く必要はあるのか?
そんなの、イヤ。
仮に定年が65歳で寿命が100歳だとすると、退職後の期間が35年ある。
人生の残り35年間を生きるためのお金を稼ぎ、ヒマな時間を埋めるために働く必要があるのか?
先日『65歳からは検診・薬をやめるに限る! ―高血圧・糖尿病・がんはこわくない』(名郷 直樹 (著), さくら舎, 2017)という本を読んだ。
「健康と長寿を追求しすぎると不幸になる」と警告する本だ。
▼著者のツイート(@nnago)
健康を気にする人の大部分はもうすでにかなり健康。ただそれが行き過ぎて多くの人が不幸になっている。その反面健康に無関心で結構、結構不健康でも幸せな人がいる。全体では確率の問題。個人で見れば賭けるかどうかの問題。確率的存在より、賭ける存在のほうが多くの場合幸福
— 名郷直樹 (@nnago) 2018年4月19日
本書を読んで「長生きしすぎて金欠になるリスク」はそれほど恐れる必要はないことがわかった。
実は65歳以降の人生は意外に短いのだ。
「人生100年時代」だからといってほとんどの人が100歳まで生き残るわけではない。
仮に平均寿命がのびまくって、100歳まで生きる人が10人に1人となっても、9人にとっては無縁の話だ。
(現在は100歳以上の人口は10万人あたり53.43人。(「高齢者:100歳以上最多6万7824人 47年連続増」(2017.9.15 毎日新聞)より))
平均寿命ほど健康寿命はのびていない
本書によると、定年(65歳)まで働いたなら、そのひとが自由に動けるのは5年だという。
つまり70歳まで。
なぜなら、平均寿命はのびているが、健康寿命はあまりのびていないから。
いくら健康に気をつけて生きていても、人は70歳を過ぎたら急に死にやすくなるのだ。
健康診断をキチンと受けなくてもいいという。
じつは健診を受けても受けなくても、65歳からのその後に大差はないからです。
p. 7
もちろん、70歳を過ぎても元気に動ける人はいる。
が、高齢者全体で見ると、70歳以降は自由に動けなくなったり死んでしまうリスクが急増するのだ。
だから「70歳から悠々自適な生活」を目指すのは「遅すぎる!」のだ。
健康に使う金と時間があるなら
なので、人生の後半以降は「健康を追求するためにお金や時間を使う意味はどんどん薄れていく」と本書を読んで感じた。
「健康の追求」とは要するに「ガマン」だ。
「食べたいもの」「やりたいこと」をガマンすれば将来の健康が手に入るという思想だ。
健康と同様にお金も一緒で「老後破産がイヤだから今ガマンして無理して会社で働く、定年後も老体にむち打って会社で働く」という考え方もかなり不健康だなと思った(会社勤めが大好きなら別だが)。
「健康を求めて”病”や死”を永久に先延ばししようとする無茶」のように「自由を永久に先延ばしする思想」だからだ。
まとめ
- 健康とお金は求めすぎれば不幸になる
- やりたいことがあれば老後ではなく今やりましょう
- やめたいことがあるなら老後ではなく今やめましょう
<参考サイト>
長生き確率表:XX歳になるまで生きる確率
高校生が知っておくべき将来の話(厚生労働省)