新型コロナウイルスの感染を抑えるには人と人との接触を8割減らす必要がある。
外出を欧米に近い形で厳しく制限し、人と人の接触を8割減らす対策を取れば、10日~2週間後に感染者が1日数千人のピークに達しても、その後に対策の効果が表れ、急速な減少に転じる。
出典新型コロナ、厳格な外出制限を 接触8割減で急速に減少―北大教授が試算(2020.4.3 時事ドットコム)
なぜ「8割の削減」が必要なのか。
根拠をわかりやすく説明している動画をtwitterで見つけた(「分数」「割合」などの算数の知識要)。
8割削減の根拠
8割削減の根拠を説明しているのは、新型コロナクラスター対策専門家(@ClusterJapan) のツイートだ。
【なぜ8割の行動制限が必要なのか】
北海道大学 西浦 博より解説します。
行動制限する人(p)の割合を、欧米の例を参考にR0(基本再生産数)と Re (実効再生産数)から導き出すと6割です。
なぜ8割としたかを解説しています。#新型コロナクラスター対策ゼミ pic.twitter.com/I6uRw4u6ri
— 新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) April 7, 2020
感染者1人がうつす人数をR0、行動制限する人の割合をpとする。
感染者のうちpだけ行動を制限(自宅にいるなど)すれば、二次感染で感染する人の人数をReとすると、
Re = (1 – p) × R0 ……①
となる。
Reを1未満(感染者1人から感染する人数が1人未満)にできれば、感染者の数をゼロに収束させることができる。
理論上は「6割削減」だが
上記の動画によると、式①においてR0 = 2.5(1人の感染者が2.5人にうつす)と推測しているので、Reが1未満になるためには、
(1 – p) × R0 < 1
p < 1 - (1/R0) = 1 – 1/2.5 = 1 – 0.4 = 0.6
となり、人と人との接触を6割削減すればいいとなる。
しかし、実際には繁華街などの「感染リスクが高い場所」で6割削減を実現するのは難しいので、目標を理論値より高めにして8割としている。
自民党の某幹事長が「8割削減なんてできるわけない」と言ったように、いくら外出自粛を呼びかけても無視して繁華街などに出かけちゃう人が一定数いることを見込んで、理論値の「6割削減」でなく「8割削減」という数字を設定した、とわたしは理解している。