低リスクの債券に見えるが実態は「ハイリスクなバクチ」の金融商品

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先日、某ネット証券のサイトで「怖い円建債券」を売ってるのをみかけた。

名称は「早期償還条項付 他社株式株価連動 円建債券」という金融商品だ。

金利は、年利5.8%(税引前)と比較的高い。

しかし、わたしはこの「債券」は買わない方がいいと考えている。

名称は債券だけど、中身は「バクチ」だからだ。

「債券 = 低リスク」と思い込んで手を出せば痛い目に遭う覚悟がいる。

油断はダメだ。

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有名企業で釣る?

実は、この債券の名称は正式名称は、

「早期償還条項付 他社株式株価連動 円建債券(任天堂株式会社)」

と言う。

「任天堂の社債」という意味ではない。

将来の任天堂の株価を予想するバクチ」という意味だ。

もし、任天堂(7974)の株価が基準値を下回ると、元本割れする場合がある。

「社債だから元本割れはないやろ」と思い込んで買うと痛い目に遭う。

バクチで勝ってもうれしくない

任天堂の株価が上がると予想してこの「債券」を買って、予想通り株価がある程度上がったらどうなるか。

利息と元本を受け取って終了。

うまくいけば年利5.8%(税引後4.621%)なので、100万円投資したら年46,210円の利息を受け取れる。

めでたしめでたし……ではない。

なぜなら、「将来、任天堂の株価が上がる」と予想するなら「任天堂の株を買えばいい」からだ。

この債券の金利を上回る利益が期待できる。

元本割れするリスクのある債券を買って年4.6%の利益があったとしてもうれしくない。

「リスクを取って年利4.6%は”あたりまえ以下”」だからだ。

教訓

リスクを取って投資で儲けたいなら、(自己責任で)ふつうにネット証券で株を買いましょう。

リスクを取りたくなければ銀行預金か個人向け国債(変動・10年)がいい。

<参考文献>
お金がたまる人 たまらない人―なぜあの人はお金がたまるのか』(丸田 潔(著), 主婦の友社, 2006)pp. 85-86 「いちばん大切なことはダマされないこと」

臆病者のための株入門』(橘 玲(著), 文春新書, 2006) pp. 178-180 「ぼったくりを目的とする金融商品」

※上記は2020年5月2日時点の情報です。

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