新型コロナによる休業・解雇で「給料ファクタリング」という「実質的な高利貸し」を利用する人が増えているという。
参照知らないと借金まみれ!! 被害急増「給料ファクタリング」の正体は闇金業者だ(2020.5.22 Asagei Biz-アサ芸ビズ)
記事によると、「給料ファクタリング」とは、後日の給料日に受け取る給料を債券として買い取ることでお金を融資するビジネスだ。
国の給付金よりも審査から振込までスピーディーだが、手数料が闇金の利息のようにバカ高だ。
「申し込んだのは20万円ですが、振り込まれたのは“手数料”2万円を差し引いた現金18万円。で、半月後、給料が出た後、業者に20万円を支払いました。あとで考えると、手数料名目の2万円は実質的には利息で、年利換算すると240%という高利なんですが、やはり背に腹は変えられなかった。で、結局2月、3月と同様の申し込みをしてしまったんです」
出典上記記事
この実例を元に、「18万円を年利240%で借りて20万円返済した場合、借りたのは何日間か?」という問題を考えて、上限金利と比較することで手数料のバカ高さを計算してみたい。
利息計算例
借りた日数をd(日)、1 年 = 365 日とする。
18万円を年利240%でd日間借りて手数料(という名の利息)を2万円払ったとすると、
180,000 × 2.4 × d / 365 = 20,000
d = 20,000 / 180,000 × 365 / 2.4 = 16.8981481481
となり、記事で紹介されていた人は17日間借りたと推測できる。
上限金利
貸金業の金利には上限金利があり、上限金利を超えた融資は違法だ。
記事の実例では18万円借りていたので、上限金利は「元本の金額が10万円以上から100万円未満」のケースが適用され、年18%だ(個人的には18%でも「高い!」と感じる)。
参照上限金利について【貸金業界の状況】(日本貸金業協会)
もし、上限金利の年18%で18万円を17日間借りたとすると、利息は、
180,000 × 0.18 × 17 / 365 = 1509.04109589
となり、1円未満を切り捨てると1,509円となる。
上限金利の年18%で借りた場合、給料日に返済するのは20万円ではなく、18万1,509円だ。
手数料2万円というのは、上限金利の13倍以上となる(20,000 / 1,509 ≒ 13.25)。
まとめ
安易に高利の借金に飛びつくより、国や自治体の支援制度を使った方がいい。
上記の実例のような「給料ファクタリング」を使っていいのは年利回り240%超のリターンを出せるような天才投資家くらいだ。
<参考サイト>
利息計算(実務の友)
給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!(金融庁)
※上記は2020年5月24日現在の情報です。上限金利は法改正で変更となる場合があります。