セミリタイアに必須なExcel関数が「PMT関数」だ。
なぜか?
セミリタイアする前、した後に気になるのが「貯蓄はいくらまで取り崩していいのか?」だから。
例えば、40歳・貯蓄5,000万円でセミリタイアしたとする。
65歳の年金受給開始時点で3,000万円残していたいとする。
つまり、40~65歳の25年間で5,000万円の貯蓄を2,000万円取り崩す場合、1年あたりの取り崩し額はいくらになるか、という計算問題を求めたい。
2,000万円を25年でかけて取り崩すのだから、
2,000 万円 ÷ 25 年 = 80 万円/年
と、簡単に計算できる。
ただし、運用利回りが「0%」の場合だ。
もし、「運用利回りが年3%で25年かけて5,000万円の貯蓄を2,000万円取り崩す場合、1年あたりの取り崩し額は?」
という問題になると、簡単には計算できない。
ここで、Excelの「PMT関数」を使う(無料の「Googleスプレッドシート」でも使える)。
PMT関数の使用法
PMT関数でセミリタイア資金の取り崩し額を計算する。
毎年、年初に生活費を取り崩して残りの資金を年3%で運用するセミリタイア生活を送るとする。
この場合、Excel(またはGoogleスプレッドシート)を開いてPMT関数に次のように入力する。
=PMT(3%,25,-50000000,30000000,1)
すると、「1,988,891」と表示される。
「運用利回りが年3%で25年かけて貯蓄5,000万円を2,000万円取り崩す場合、1年あたりの取り崩し額は198万8,891円」
となる。
25年の貯蓄取り崩し生活
PMT関数で計算した25年間の貯蓄の取り崩し結果を下表に示す。
表の説明をする。
1年目の年初は貯蓄が5,000万円ある。
ここから年初早々に198万8,891円を取り崩し、残りを年3%で運用する。
結果、1年目の年末の資金残高は4,945万1,443円となる。
2年目以降も1年目と同様に、年初に貯蓄を取り崩して残りを年3%で運用する。
25年目の年末には、残高がちょうど3,000万円となる。
取り崩し時期を「年末」にするとうれしい結果に
貯蓄の取り崩し額を年初から年末に変更すると、取り崩し額していい金額が増える。
この場合のPMT関数は、
=PMT(3%,25,-50000000,30000000,0)
と、関数の入力項目の末尾を「0」にする(入力省略でも可)。
PMT関数で計算した結果、年末に取り崩していい金額は「2,048,557」となる。
貯蓄の取り崩しを年初から年末に変えると、年初に取り崩す場合に比べ運用額が増える分だけ取り崩し可能な金額が増える。
ただし、1年目は「年末にならないと取り崩せない」というデメリットがある(1年目はどうやって生活すればいいのか(笑))。
Excelでサンプルファイルを作成したのでご興味があればご覧ください。
PMT関数の詳しい説明は、次を参照してください。
参照PMT 関数(Microsoft「Office サポート」)