先日(2020年11月上旬)、Amazonから「アクションが必要です: 米国税金情報の更新が必要となります」というタイトルのメールが来た。
メールの本文の表題に「米国税金情報の有効期限が間もなく失効致します」とある。
数年前、Kindle本を出版する際に米国に納税しなくてもいいように免税の手続きをした。
手続きをしないと、Kindle本の売上の30%が「税」として米国のAmazonで源泉徴収されてしまう。
メールによると、免税の手続きに使用した申請書のフォームが2020年末で期限切れとなるようだ。
米国の税務当局 (米国内国歳入庁「IRS」) によると、このフォームは 2020 年 12 月 31 日をもって期限切れとなり、Amazon は支払いから源泉徴収税を差し引く必要があります。
新しいフォームで再度申請書を米国のAmazonに提出しないといけないのか?
結論を言えば、米国の「Amazon.com」での売上を源泉徴収されたくなければ、米国の納税者番号(TIN)を取得して手続きする必要がある。
米国Amazonのアカウントを持っていない
税を源泉徴収されたくない場合のアクション(対処法)として、メールには次のように記載されていた。
- https://kdp.amazon.com にサインインする
- 右上の[アカウント]をクリックします
- 「税金情報」で、「税金情報の表示/提供」をクリックします
- 「面談を受ける」をクリックし、面接を完了します
- 電子署名を提供して検証を迅速化します
1の「https://kdp.amazon.com」にサインインしようとしたが、米国Amazonのアカウントが必要みたいだ。
米国Amazonのアカウントは持っていない。
再申請せず放置すると徴税される?
上記の1~5のアクションを起こさずに放置したらどうなるのか?
メールによると、
米国のマーケットプレイスでの売り上げに対する支払いには、米国の源泉徴収税 30% が適用されます
となるようで、米国政府に売上の30%を納税しないといけなくなる(したくない)。
だがしかし、この文を読む限りでは「米国のマーケットプレイスでの売り上げに対する支払い」については課税対象となると解釈できる。
つまり、米国以外のAmazon(日本のAmazon.co.jpなど)での売上については、米国政府の課税対象外なのか?
結論
調べてみると、Kindle出版のノウハウ本『さるでもできるKindle電子出版: 40冊以上のKindle本を出版した筆者が、KDPアカウントの登録方法から、キンドルに最適なファイル作成まで、電子出版に必要な情報をすべて公開! 』(海河童(著))に結論があった。
「米国での税率30%の源泉徴収の対象となるのは、米国Amazon、つまり”Amazon.com”での売上に対するロイヤリティのみ」、だそうだ。
Kindleのヘルプによると、
米国の Kindle ストアでの売り上げに対するロイヤリティの支払い (KDP セレクト グローバル基金からの分配金を含む) には、米国の源泉徴収税率 30% が適用されます。出版者の居住国と米国との間に所得税に関する租税条約が締結されている場合は、米国の源泉徴収税率の軽減措置を受けられることがあります。
出典源泉徴収(Kindle Direct Publishing ヘルプ)
とある。
日本は米国と租税条約を締結している。
条約の正式名称は「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約」だ。
参照日・米租税条約(財務省)
もしAmazon.comでの売上も免税対象にしたければ、米国大使館か総領事館に行って納税者番号(TIN)を取得してAmazon.comへ申請する必要がある。
参照個人用納税者番号(ITIN)(在日米国大使館・領事館)
しかし、わたしのKindle本の売上はほとんどが日本のAmazon.co.jpなので免税の申請はしないでおく(米国大使館か総領事館まで行くのが面倒なので)。
万が一、米国Amazonで売上が発生したら、30%の源泉徴収分の税は「アメリカへの寄付」と割り切る。
※上記は2020年11月11日現在の情報です。税制は改定の可能性がありますので最新の情報を参照してください。