木暮太一著『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)』を読む。リタイアした後に「どうしてこんな働き方しかできなかったのか?」を確認するために読んだ。
パワポが使えないおやじが高給な理由
引用を紹介しようと思っていたら、Amazonの書評にその答えが掲載されていた。
パワポでプレゼン資料もろくに作れない窓際おやじの給料が高い理由が
この本を読めばわかる。給料は必要経費によって決められているので、
子供の養育費のかかるおやじたちの給料は高く設定されているのだ。
(だが、いまや生涯独身の人が急増しているので、いったいどうするのか?)
もし、そうならずっと独身でいるという戦略で金融資産を築くことができる。
本書によると、経済学的には給料の決め方には2種類ある。
①必要経費方式
②利益分け前方式(成果報酬式)
日本の伝統的な企業は①を採用している。よって、前述の書評で指摘されているように、
パワポでプレゼン資料もろくに作れない窓際おやじの給料が高い
のである。パワポが使えても使えなくても、妻と私学に通う大学生の子どもが2人いて、30年ローンのマイホームとマイカーがあれば、その必要経費たるやいかばかりか。早期リタイアどころか、死後も働かされそうな勢いだ。
給料は「明日も同じように働くための必要経費」
給料の金額を決めるのは、その人の「努力量」でも「成果」でもありません。
みなさんが明日も同じように働くために必要なお金
「新入社員ならば必要経費は月19万円でもいいが、おやじなら月50万円かかる」と会社が判断すれば、そのように給料が決まる。能力があるから50万円支給されているのではなかった?
私の経験では一応「成果」や「ランク」で給料が決まるようになってきたので、必ずしも年功序列的に「中高年で家族がいるから給料が高い」とはいえない。会社の考える「必要経費」がどんどん下がってきているように思う。もちろん、非正規や業務請負の場合は、「必要経費」を考えなくていいので、もっと安く使える。
金融資産で自分を守る
日本企業が必要経費方式で給料を決めてくれている間に「必要経費」未満で生活する。余ったらすべて貯金に回して金融資産を築く。いくら会社が終身雇用を保証してくれても、経営者が入れ替わったらそんな約束はチャラになる。最後まで裏切らないのはお金。何があっても、無収入で数年~十年程度生きていくだけの金融資産を貯める。それだけのお金があるだけでも、心が楽になる。
一番いけないのは、定年まで雇用が保証されて給料が右肩上がりであることを前提に、十年以上先の支出を決めてしまうことだ。いくら長期計画を立てても十年より先はわからない。エクセルでは何十年先でも計算できるが、それはあくまでエクセル上の話。