貯金5,000万円でセミリタイア生活を開始したとする。
インフレ率が年2%で支出が月額20万円(年間支出額240万円)なら何年持つか?
という数学の問題を考えてみる。
インフレ率が0%なら貯金を年間支出額で割って、
5,000 万円 ÷ 240 万円/年 ≒ 20.8 年
だから「20年持つ」と簡単に答えが出る。
が、インフレ率がプラス、つまり物価に比例して支出も上がり続ける場合は少々計算が面倒だ。
等比数列の和
インフレ率が2%の場合、初年度の支出は240万円だが翌年度以降は支出が毎年1.02倍ずつ増える。
求める年数をx年とする。
各年度の支出額をx年分たして5,000万円となればいい。
つまり、
240 万円 + 240 万円 × 1.02 + 240 万円 × 1.02 × 1.02 + … = 5,000 万円
となる。
公式を使って解く
上記の式は「初項240万、公比1.02の等比数列の和」だから、等比数列の和の公式より、
240(1 – 1.02x)/(1 – 1.02) = 5000
1.02x = 17/12
対数を取ると、
log1.02x = log(17/12)
x = log(17/12)/log1.02 ≒ 17.58
よって、
「貯金5,000万円、年間支出額240万円、インフレ率2%なら貯金は17年持つ」
が答えだ。
貯金5,000万円はインフレ率が0%なら20年持つが2%なら17年でなくなる。