先日(2023年5月8日)の西新井駅の缶破裂事件は、強アルカリ性の洗剤をアルミ缶に入れたことが原因とされている。
参照西新井駅で缶破裂 強アルカリ性洗剤の可能性 化学反応で破裂か(2023.5.9 NHK)
洗剤の成分である強アルカリ性の「水酸化ナトリウム」とアルミ缶の「アルミニウム」が化学反応を起こして水素ガスが発生し、缶内の圧が大きくなって破裂したと思われる。
事件の原因を知って、かなり久しぶりに受験時代の化学の参考書(『チャート式シリーズ 新化学』(数研出版))を引っ張り出してさらに調べてみた。
すると、アルミニウムは「両性金属」であることがわかった。
両性金属
アルミニウムなどの「両性金属」は、今回の西新井駅の事件のように「アルカリ性」だけでなく、希硝酸・希塩酸のような「酸」とも反応して水素ガスを発生する。
アルカリ性・酸性の「両性」の水溶液と反応するので「両性金属」と呼ばれる。
なので、強アルカリ性の洗剤だけでなく、「酸」もアルミ缶に入れてはいけない。
両性金属の覚え方
両性金属は「アルミニウム(Al)」「亜鉛(Zn)」「スズ(Sn)」「鉛(Pb)」の4種類がある。
わたしの持っている参考書(チャート式シリーズ 新化学)によると、両性金属の種類の覚え方は、
ああすんなりと両性に愛される
だ。
「ああすんなり」とは、
あ …… アルミニウム
あ …… 亜鉛
すん …… スズの化学記号「Sn」
なり …… 鉛
を表している。