放送大学の「特別講義:アディクション」を受講した。※受講といっても以前に録画したHDDビデオを見ただけだが。
アディクション(addiction)とは、講義の中では「あるもの(物、行為、人)を異常に好むこと」、と定義されていた。
アディクションの例として「アルコール依存症」が取り上げられていた。その中で最も印象に残ったのが、アルコール依存症患者自助組織の主宰者の言葉だった。
「アルコール依存症の患者は『今』を大事にしない人が多いんです。将来良くなればそれでいいと言って今の自分から逃げてしまうんです」
「明日から○○をやる」の典型だ。「明日から禁酒する」「明日からダイエットする」「明日から貯金する」ひどくなると「私もいつか○○をやってみたい」……。たいてい「明日」はやってこないものだ。アルコール依存症は病気だから仕方ないが、意思の弱い人は他人から「期限」を決めてもらって尻を叩かれないと何もしないか、ずっと何かに依存し続けるのだろう。
私もサラリーマンを辞める前はどっぷりと会社に依存していた。「とりあえず会社の仕事を頑張れば、明日は良くなる。正社員でいられるだけありがたいではないか。定年になっても子会社に出向できるかもしれないし、退職金と年金がもらえる。それまで頑張ろう」と自分を洗脳させようとしたが、やっぱり自分はだませなかった。単に忍耐力がないだけかもしれないが(笑)。
講義によれば、アディクションは治らないが回復はするそうだ。おかげさまで会社依存症から回復しつつある。
人はなぜ依存症になるのか 自己治療としてのアディクション (2013/05/29) エドワード・J・カンツィアン、マーク・J・アルバニーズ 他 |
名言・謎言
人生に一番害のある言葉は「明日」だ。