サラリーマン時代に青木雄二著『ナニワ金融道』を読みあさった。
ビジネス書よりも役に立つ。
本書では「手形」がよくでてくる。
手形の書き方も知らずにサラリーマンをやるというのは、無免許でクルマを運転するようなものだ、と思った。
手形の裏書きは怖い
本書を読んだ後に、手形の実務の本を買って読んだ。
手形の裏書をしたり連帯保証人になるということは、「一緒に借金を背負い、地獄に同行します」と宣言するようなもの。
サラリーマンのスキルアップといえば、「語学やIT」と思いがちだ。
加えて「金融知識」も必要だ。
金融知識がないと、いくら社会的地位があっても、公務員でも、あっさり底辺に転落してしまう……本書を読んでそんな危機感を抱いた。
法改正に注意
本書で注意すべきなのは、出版後に法改正がされている点だ。
例えば、本書の中では「短期賃借権を打たせてもらうで」というセリフがよく登場する。
が、現在は「短期賃貸借制度」は廃止されている(平成15(2003)年の民法改正)。
まさに本書に出てくる「帝国金融」のような「短期賃借権制度」を悪用する金融業者対策のための法改正だ。
「短期賃借権を打つ」ことで、金融業者が自身の債権を回収するため「本来あるべき抵当権の実行」を妨げることがよくあったらしい。
サラリーマンだけでなく、ビジネスをする人なら次の知識があったほうがいいと思う。
- 簿記3級以上
- 有価証券の知識(手形、小切手、株式、債券)
- 行政書士(民法は必須、余裕があれば憲法、行政法、会社法、商法も)
- 社労士(労働法、国民年金、厚生年金の知識)
- 消費者関連法規(特定商取引法、消費者契約法)
お金に切羽詰まった者は個人でも会社でも、簡単に他人を裏切り、ダマす。
ダマされないようにしっかりと武装しておかねば、と思わせてくれるマンガだ。