「大企業は溜め込んだ内部留保を取り崩せ」でおなじみの「内部留保」。
いったい何を取り崩すのか疑問に思っていたが、「しんぶん赤旗」の記事に答えが載っていた。
内部留保の額(利益剰余金、資本剰余金、負債性引当金の合計額)を計算し、……
「大企業の内部留保 1年で10兆円超増 トヨタ8300億・三菱UFJ6000億・ソフトバンク4000億円…」 (2013.6.5 しんぶん赤旗)
貸借対照表の資本の部の「利益剰余金」「資本剰余金」、資産の部の「貸し倒れ引当金」のことを「内部留保」と呼んでいるらしいのだ。
今回の集計結果では、内部留保を増やした大企業の多くは、既存の内部留保を取り崩すまでもなく、増加分の数%程度を回すだけでも、「月1万円」の賃上げが可能だということが明らかになりました。(同記事)
上記の記事の筆者は「利益剰余金」「資本剰余金」「貸し倒れ引当金」が「自由に利用可能な現預金」で存在していると勘違いしている(または読者に勘違いさせようとしている?)。
内部留保は貸借対照表の左側の「資産の部」の何かに化けているが、現預金とはかぎらない。
企業の現預金は決済や資金ショートに備えた最低限の金額しかないはずだ(あとあるとすれば将来の買収に備えた資金)。
内部留保を取り崩すということは資産を現金化して社外に流出させることだ。
何のためにそんなことするんだろう?