大手スーパーが運営しているショッピングモールのフードコート。
なぜあんなに広い空間にテーブルを置いているのか。
加藤英明・岡田克彦著『人生に失敗する18の錯覚 行動経済学から学ぶ想像力の正しい使い方』 (講談社プラスアルファ新書, 2010) によると、
長居をされたら困る
かららしい。
さっさと食事を済ませて、利幅の大きな他の売場に移動させるような仕掛けがしているという。
空間には極力仕切りをなくし、多くの人数で話せる大テーブルをあまり置かないように考えられています。また、天井は高くして、あたかも草原の真ん中で食事をしているような感覚に陥るよう設計されているのです。
(中略)
原始時代に草原の真ん中で食事をしていると、たいそう危険です。ライオンやハイエナなどの肉食獣の餌食になりかねません。その時の記憶が、われわれの遺伝情報に受け継がれていますので、何となく落ち着かず、次に移動したくなるのです。
「人間は、広い空間でとどまると危険だと錯覚する」という本能を利用して儲ける設計思想なのだ。
もっと「錯覚」を利用したければ、「チャイム」を使ったらどうだろうか?
わたしたちは学校や職場で「チャイム」をきっかけに行動するように洗脳されてきた。
例えば、会社で12:00にチャイムがなると、「無意識に」席から立ち上がって社員たちがぞろぞろと昼食に向かう。
これをフードコートでも利用する。
12:00にチャイムを鳴らしてフードコートに無意識に移動させ、13:00のチャイムで立ち去るように促す。
お金儲けに「マインドコントロール」が不可欠になっている、こわいこわい。