スローガン著『失踪超入門』を読んだ。
本書では、「人生をリセットしてやり直したい」場合の、具体的な失踪方法を提示する。
仕事が過酷で嫌になった場合の失踪方法としておすすめしているのが失踪期間1ヵ月の「自分探し失踪」だ。
もちろん、勤務先に許可をとって休職するのではなく、無断で姿を消す。
「1ヵ月分の生活費」だけを持って家を出る。
放浪したり、時には野宿をしながら、自分のことを落ち着いて考える。
自分を見つめなおすための失踪
失踪で問題となるのは、
1ヵ月も無断欠勤したら懲戒処分されたり解雇されたりしないか
ということだ。
本書では、問題ないという。
1ヵ月程度姿を消したところで、実は社会復帰には問題ありません。
学校であれば、それまでちゃんと出席していれば、その1ヵ月のために留年することもないでしょう。会社に復職するためには、それなりの理由を伝える必要があるかもしれません。だとしても、失踪せざるをえないほどの精神状態に追い詰められていたということを医師の診断とともに伝えれば、ある程度の効果は期待できるでしょう。就業規則上、1ヵ月の失踪を解雇の理由としている会社はそう多くはありません。
たとえ1ヵ月分の家賃を滞納してしまっていたとしても、暮らしていた賃貸物件を追い出されるということもめったにありません(アパートやマンションなどの賃貸物件では、3ヵ月分くらいの滞納でもなければ「賃貸借契約」を解除されるには至らないことがほとんどです)。
この失踪を成功させるには、
- 失踪中の1ヵ月分の生活費
- 医師の診断書
- 就業規則の確認(1ヵ月無断欠勤しても解雇されないか)
- 賃貸借契約書の確認、もしくは家賃の前払い
が必要だ。
お遍路ファッションなら不審者と思われない
あちこち放浪していると不審者と思われないか、という心配がある。
解決策は「お遍路」の格好をすればいいそうだ。
お遍路さんは、言ってしまえば万人に認められた放浪者です。長い距離を歩き続け、粗末な食事に身を細らせて、ときには野山で寝起きしても、敬われこそすれ不審がられることはありません。地元で暮らす人々にとってお遍路さんはごく当たり前にやって来て、去っていく存在。特にその目的や出自を追及するものではないのです。むしろ一泊の屋根を貸し与え、食事や飲料、ときには現金までも提供してくれるのです。これほど失踪者にぴったりの放浪が他にあるでしょうか。
なるほど。
周囲の人を心配させないために置き手紙を
家族、同僚、友人等に無用な心配を与えないためにも失踪者にとって「置き手紙」は最低限のマナーらしい。
手紙の内容は、
- 失踪期間
- 帰るのか、一生帰らないのかの意思表明
を自筆で書く。
例えば、鈴木太郎さんが1ヵ月失踪するなら、
1ヵ月ほど失踪します。
必ず帰りますので、心配しないでください。
20xx年x月x日
鈴木太郎
と自筆で紙に書いて、自宅と勤務先に置いておく(または郵送しておく)。