「成功者の話を聞いただけでは成功できない」のだが、成功者の講演を聞くと「勉強になった。自分もがんばろう」という気になってしまう。
だから、成功者のセミナーには客が集まるのだろう。
しかし、成功者(講演者)の見方は身も蓋もない。
成毛眞『勉強上手 好きなことだけが武器になる』によると、成功者(講演者)の身も蓋もないホンネとは……。
世界の二大成功者のホンネ
成功者とはマイクロソフトのビル・ゲイツと、ヴァージンアトランティックのリチャード・ブランソンの2人だ。
日経新聞主催の講演会に来たらしい。
私がマイクロソフトの社長だった頃、ビル・ゲイツとヴァージンアトランティックの創業者のリチャード・ブランソンの講演会が、日経新聞主催で横浜のパシフィコホテルで開かれることになった。世界二大創業者、二大金持ちの豪華共演である。テーマは「アントレプレナーシップ(起業家精神)」。起業を目指す人たちなどが、3000人も集まった。
ところが、当の本人たちは控え室でこんな会話を交わしていたのである。
「今日、俺たちの講演会を聞きに来ている人たち、何人いるの?」
「3000人だって」
「3000人!?バカだなあ、今日ここに来てる奴らは、成功なんてできるわけないよな」
「そうだよね。成功したいんだったら、俺たちの話を聴いている暇なんてないよね。俺だったら、会社に戻って今すぐ働くな」
そう言い合ってゲラゲラ笑っていた。
(中略)
当時、二人の講演会を聴き、「やっぱり世界的な成功者は、普通の人と考えが違う!」と酔いしれていた人には残念な舞台裏である。
出典『勉強上手』pp. 126 – 127
世界的な成功者は講演したら莫大な講演料がもらえるから、適当にしゃべるだけで確実に成功できる。
成功者の話を聞くのは時間のムダ?
確かに、他人の話を聞いている時間は手が止まっている。
名言:お前ら、俺らの話を聴きに来る時間があるんやったら働け(ビル・ゲイツ&リチャード・ブランソン)
『勉強上手』は「勉強法」を紹介する本なのだが、上記のエピソードが一番勉強になった。