商船三井、三菱商事のような日本の伝統的な大企業が拠点の一部を東京からシンガポールに移している。
商船三井のアニュアルレポートによると、
当社の顧客やブローカーもシンガポールに拠点を構えている所が多く、従来のように東京中心で営業をしていては、得られる情報に差が出てしまうのです。ITが進化し、通信手段がいくら発達したとはいえ、やはり日々行われるFace to Faceのコミュニケーションには敵いません。グローバルなマーケットの中での営業拠点を考えた場合、最適地はもはや東京ではないのです。
商船三井アニュアルレポート2013 p.11
日本は法人税が高いから海外に行く、ということではない。東京にいては情報が入ってこないし顧客ともコミュニケーションがとれないから仕事にならない。だからシンガポールに行かざるをえない。
これからは大企業の本社機能の争奪戦が激化するのではないか。
ただ法人税さえ下げれば企業は国内に残ってくれる、というのは甘い考えなのかもしれない。
投資家としては、とりあえず利益を上げて株価を上げて配当さえ出してくれたら拠点はどこに置こうがかまわない。
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