休日が終わる前は無断欠勤してでも休みたくなるもの……。
10年以上前のサラリーマン時代の話だが、同じ部署の先輩が1週間ほど無断欠勤したことがあった。
ある日を境に、先輩が出社してこなくなった。
前日、上司と仕事の進め方をめぐってモメたのが原因らしい。
わたしが先輩の携帯にかけてみると不通だった。
音信不通
自宅の固定電話にかけてみてもかからない。
どうやら電話線を抜いているようだ。
上司にどうなっているのか確認してみると、上司のメールアドレス宛に「退職する」という内容の「置き手紙」をメールで送っていたようだ。
先輩の仕事はわたしに振られ、2人分の仕事をすることになった。
処分
結局、先輩は1週間ほど無断欠勤したのちに出社してきた。
会社からは特におとがめはなし。
てっきり「出勤停止」「解雇」などの懲戒処分になると思っていたが、何もなし。
先輩も、「どれくらい休んだら罰せられるか」だいたいわかっているようで、懲戒処分に引っかかる直前になって出てきたようだ。
「無断欠勤」することで会社に反抗しながらも、懲戒処分は怖いのでギリギリのところで出社して恭順の意を示す。
無鉄砲なようで実に政治的な駆け引きがうまい人だ。
不要の証明
その後人事異動があり、先輩は別の部署に行き、先輩の仕事はわたしが引き継ぐことになった。
先輩が無断欠勤したせいで、2人でやっていた仕事が1人でできることが証明されたのだから……。
無断欠勤によって自ら「不要」であることを証明してしまうという皮肉な結果になった。