放送大学「アメリカの歴史と文化(‘08)」を観た。
この講義を見ると、日本の「正社員信仰」が1960年代のアメリカの広告代理店の洗脳に過ぎないことがわかる。
「日本人は価値観が画一的でアメリカ人は個性的」とは言えないようだ。
サラリーマン誕生
夫がサラリーマン、妻が専業主婦、子どもは1~2人でマイカーと最新の家電製品を買って郊外のマイホームで暮らす……これは1960年代にアメリカで生まれた価値観らしい。
サラリーマンの家族が住むマイホームは、間取りや外見は画一的な建売住宅だ。
第2次世界大戦後に発展した「大企業」の利益が最大になるように、アメリカ国民は「広告」によって同じような価値観を持つよう洗脳される。
「日本人よりも個性的」と思われるアメリカ人も「他人が持っている商品を持ちたい」と思うように仕向けられてきた。
必要かどうかなんて関係ない。「他人が持っているから私も欲しい」……これ以上強力な動機はない。
サラリーマン的価値観の輸入
日本も上記の価値観を輸入して、今も後生大事にしている人もいる。
この価値観を実現するための手段として有効なのが「正社員」になることだった。1960年代といえば、ちょうど日本の高度経済成長期と重なる。
「正社員」になりたいという気持ちが起こる原因は、1960年代のアメリカ製の広告(またはそれをコピーした日本の広告)によることが多い。
「学校を出て新卒一括採用で会社に正社員として就職して滅私奉公で定年まで働く」という価値観は、日本の伝統文化でも何でもなくて、戦後にアメリカの広告代理店が作り出した「商品」だった。
※「歴史」の勉強はちゃんとしないと現在起こっている事件の背景が理解できない、と思い高校の世界史を復習中。