鈴木亘『年金は本当にもらえるのか? (ちくま新書)』を読む。本書p.123-127に紹介されている試算によると、消費税を3.3%上げるだけで国民年金はすべて税でまかなえるということだ。
つまり、消費税率が8.3%になれば、基礎年金は全額税でまかなえることになり、国民年金保険料は払う必要なくなる(はず)。サラリーマンの厚生年金も基礎年金の負担分は当然割引されてもいい(はず)。
もし予定通り消費税が10%になっても国民年金保険料を払い続けるのなら「取られすぎている」ということになる。消費税を上げたい財務省、年金財政を財務省に渡したくない厚生労働省、両方の欲望を満たすために消費税と保険料を「二重払い」させられるのか。
消費税を10%上げるのに国民年金保険料も取られるというのは、財務省と厚生労働省の縄張り争いを「年間料金17万円程度の特等席」で毎年見せられているような感じだ。
そんなつまらないショーを高額料金で見る財政的、時間的余裕はないはずだ。