人間ドックの検査値は賞味期限1日?

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病院

国民健康保険の定期健診(平成25年度:2013年4月~2014年3月)はまだ受けていない。

昨年度受診した時に血液検査で何回も注射針を刺されたのがトラウマになっている。

ナースから「血管が細いですね(笑)」と言われ、何回も刺し直しさせられた。

痛いし、精神衛生上よくない。

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健康診断に意味はあるか

健康診断前に、中村仁一・久坂部羊『思い通りの死に方』(幻冬舎新書 2012)を読んで、ますます健康診断に行く気がなくなった。

人間ドックもだ。

今の日本人は定期的に健康状態をチェックしないと安心できないように洗脳されている。「確認強迫神経症」ですよ。でも人間ドックで確認できるのはその日の健康状態だけで、そこで異常がなかったとしても、翌年はどうなるか何の保証もない。だから、また心配になる。

で、人間ドックのほうも、全部「正常」にすると受診した人間が何となく損したような気持ちになるので、オールAにはしない。正常値を厳しくして、ちょっとB判定が入るようになっている。だから、いったん受けると「健康蟻地獄」に落ち込むんですよ。

本書p.109-110


人間ドックでも空気を読んで受診者に配慮しているのか。人間ドック受診で異常を早期発見するというより、日本人が大好きな「安心・安全」を与えることが目的になっているのか。

人間ドックが病人を作る?

人間ドックで診断する判定項目は、基準値内に健康人の95%が入るようになっているらしい。

なので、2項目を検査すると基準値に入る健康人は、

95%×95%=90.25%

となる。

つまり、健康人の10人に1人は2項目のうち少なくとも1項目が「異常」と判定される。

1割しか病人がいなければ病院や製薬会社がもうからない?

じゃあ判定項目を増やせばいい。

もっと項目を増やしてn項目とすると、全部正常となる確率は、

95%×95%×95%×……=0.95n

となる。

5項目なら約77%、10項目なら約60%、30項目なの場合はなんと約20%。

健康人のおよそ8割が何らかの項目で引っかかり、「不健康」と判定される。

本書p.111


本書のとおりなら、人間ドックのような健康診断で「正常」と判定されるのは単なる確率の問題となる。

つまりくじ引きと同じで、健康人でも運が悪ければ「不健康」という診断が下る。

何じゃそりゃー。

問題は、こんな「くじ引き」のようなことに健康保険料が使われていることだ。

そりゃ「当たり」を引けばうれしいかもしれないが、それ以上の効果はない。

健康管理ではなく、単なる「安心」を得るために莫大な税金(健康保険料も)が投入されているのではないか。

正常に楽観的になるだけで、社会保障費はもっと減らすことができそう。

中村 たしかに、今の医療が不安感を煽ることで顧客を獲得しているのは間違いないですね。しかもお年寄りは、あっさりとそれに乗る。

久坂部 お金もありますからね(笑)。ほかに使い道のない人が多いんでしょう。

中村 そうなんですよ。医療が、小金持ち相手の恫喝産業になっている。僕は、宗教や教育と似た側面があると思います。

本書p.113

金持ちの年寄りが暇つぶしに人間ドックで散財するのは構わないが、日本人がもっと正しく楽観的になれば、現役世代が払っている健康保険料をもっと下げることができる。

※人間ドックと同じように、成果主義で給与が決まる会社なら「評価項目」の数を増やして、各項目の合格率を100%未満にしておけば意図的に評価(給与)を下げることができる。

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