ブログ「琥珀色の戯言」の『資格をとると貧乏になります』(佐藤留美 新潮新書)の書評を読んだ。本はいずれ読んでみたい(2022年5月17日現在、「琥珀色の戯言」は非公開となっている)。
「所得100万円以下の弁護士」が、登録弁護士の8割を超える2万7094人のうち実に22%にも及んでいるらしい。
弁護士や会計士、税理士、社労士などの資格の現状。「所得100万円以下の弁護士は、登録弁護士の8割を超える2万7094人のうち実に22%」……。/【読書感想】資格を取ると貧乏になります http://t.co/fmWhwAHCir
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2014, 3月 24
所得というのは「収入-必要経費」。
果たして、「収入-必要経費」が100万円以下なら「生活が苦しい」といえるのか?
所得をまるでサラリーマンの手取り収入のように錯覚させることで、「難関資格をとっても食えないんですよ」という印象を与えようとしているのではないか。
クセモノは「必要経費」だ。サラリーマンなら「必要経費=給与所得控除」として決まっている。
一方、個人事業主として活動している弁護士は自分で必要経費を決められる。
年収が1億円で必要経費が9,900万円なら「所得100万円以下の弁護士」に入ることになる。では貯金は年100万円しかできないかといえばそうではない。例えば、国民年金基金を目一杯使えば、老後資金の積立貯金も「必要経費」とみなされる。
サラリーマンの視点で個人事業主の所得を判断すると、お金持ちを貧乏人と見誤ることになる。
個人事業主が低所得でもお金持ちになれるカラクリは、橘玲『貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する (講談社プラスアルファ文庫)』に詳しく書かれている。