花輪陽子『貯金ゼロ 借金200万円! ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』を読んだ。
浪費でふくらんだ借金200万円を抱えた外資系投資銀行OLの著者が、結婚して失業して資産1500万円を作るまでの物語だ。。
結婚はしたものの、新婚早々、夫の勤務先は倒産する。
妻(著者)は外資系投資銀行を解雇され「夫婦同時失業」となる。
失業してわかる貯金のありがたさ
実際に失業してみると、「貯金って、なんてありがたいものなんだろう」と見に染みて感じました。私たちは夫婦同時に失業というトラブルに遭遇し、それまで「毎月もらえて当然」と思っていた給料が、突然ストップしてしまいました。「まさか自分が」と思っていましたが、こんなことって、現実にあるのです。
p.100
やっぱり安心のよりどころは生活費数年分の貯金だ。
著者は「生活費半年~1年分くらい、目安は200万円」の貯金をすすめているが、これでやっていけるのは20代までだろう。
再就職が難しくなる30代以降はもう少しあったほうがいいと思う。
その後、夫は再就職、著者はファイナンシャルプランナーとして独立する。
資産を作るカギは「低コスト生活」だ。
夫婦円満低コスト生活のカギは「別会計」
資産を作ったり低コストで生活したりするための具体的な方法は本書に譲るとして、夫婦で月21万円で生活できているようだ。
低コスト生活だけでなく、お金の管理の仕方もうまい。
夫婦共有の銀行口座を作ってそれぞれの収入の一部を入金し、生活費は共有口座にあるお金でまかなっているらしい。
共有口座以外の自分の手元にあるお金はすべて自分のために使えるので、お金の使い道を巡って夫婦ゲンカになることはないらしい。
独身でも「生活費口座」と「娯楽費口座」を作っておいて使い分ければ使いすぎを防げそうだ。
収入増より支出減の方が確実
一般人は収入増を望むより低コスト生活を目指すほうが安全で確実だ。
低コストで暮らすことができれば、無理に会社にしがみつく必要はなくなる。人生の選択肢が広がる。
簡単に低コスト生活を実践したければ、収入が上がっても生活レベルは上げないことだ。
生活レベルを上げて消費を増やしても、それに比例して幸福度が増えるわけではない。
失業する前、彼女は外資系投資銀行で高給取りで浪費生活を送っていたが、ぜんぜん楽しそうに見えなかった。
仕事のストレスを解消するために浪費(買い物依存症?)に走っていたような印象を受けた。
やがて結婚して失業して今までの浪費生活の誤りに気づいて人生をやり直す。
単に節約をすすめているだけの本ではなく、お金を稼ぐのもほどほどにしないと精神的にバランスが崩れて家計が破綻するリスクを背負うと戒める本でもあった。
<まとめ>
支出を減らして貯金が増えるほど家計の安全度が上がる(ただし、「稼ぎすぎ」「貯めすぎ」に注意)。