中桐啓貴『初歩から値下がり対策まで 損しない投資信託』(朝日新書 2012)を読んだ。
老後資金が年金だけでは不足する心配がある場合の対策が紹介されていた。
年金に加え、投資信託の分配金を老後資金とする。
投資信託の分配金と元本の取崩しで生活費を捻出する「下山プランニング」だ。
頂上を極めた山から下山するように貯蓄を取り崩していく計画だ。
下山プランニング
年金の不足分(本書の例では月額10万円)を、運用金額2,000万円の投資信託の分配金と、元本の取崩しで補填(ほてん)する。
分配金の利回りは年率3%とすると、初年度の最初の受取額(月額)は、
分配金:2,000万円×3%÷12カ月=5万円……①
取崩し:10万円-分配金=5万円……②
合計:①+②=10万円
本書の説明を元にエクセルで運用シミュレーションしてみた。
確かに、本書に書いてあるとおり毎月10万円を受取りながら約23年運用できる。正確には278カ月だ。
元本を取り崩すので分配金と元本は徐々に少なくなる。その分、取崩し額を増やしていって月額10万円をキープする。
元本をきれいに使い切る
元本を取り崩さずにすべてを分配金だけでカバーしようとすると、大きな利回りが必要になるし、無駄に税金も取られる。
それに、元本を丸々残して死ぬことになる。
これは悔いが残る。
子孫にのこす遺産なんて、「葬儀代+小遣い」くらいでいいんじゃないだろうか。
「分配金と元本取崩しの合わせ技」はスマートなリタイア資金運用法だ。