一生安心できる資産運用に役立つ本『ポートフォリオ・マネジメントで一生お金に困らない人になる!』(
本書を読んで一番心に響いたのは、
経済的自立を達成しても、金融資産は取り崩して減らしていくより、ずっと増え続けたほうが安心!
ということだ。
FIREを達成しても不安?
仮に億単位の貯蓄ができて早期リタイア(いわゆるFIRE)したとしても、貯蓄を取り崩して減り続ける生活は怖い。
ならば「死ぬまで金融資産が増え続けるようにすればいい」と言う。
どうしたら、経済的自立を達成したのちも、不安を感じずに幸せに生きられるのでしょうか? 資産を取り崩していくから不安になるのですから、資産を一生、取り崩さなくてもいい状態を構築すればよいのです。
(中略)
減る一方ではなく、毎年少しずつでも増える状態であれば、不安に駆られることはありません。生きれば生きるほど資産が増えるわけですから、いくら長生きしても安心です。
本書では、金融資産を増やし続けるためのノウハウが多数紹介されている。
セミリタイア資金の増やし方
わたしは本書に紹介されているノウハウのうち、次の方法を実践してセミリタイア資金を減らさないようにしている。
- 必要最低限の生活費は年間いくらかを把握する
- 世間の「リタイア後の使い道」の常識に惑わされない
- 投資信託は「高配当」ではなく「再投資型」を選ぶ
「1.必要最低限の生活費は年間いくらかを把握する」とは、必要最低限の生活費が把握できれば、あと何年くらいセミリタイア資金が持つのかを見積もることができる。
かなり長期間持つのであれば、無理してセミリタイア資金の「期待利回り」を上げなくてもいいことがわかる。
そうなれば、セミリタイア資金のうち、現預金などの「無リスク資産」の割合を多めにすればいい。
「2.世間の「リタイア後の使い道」の常識に惑わされない」は、「老後は海外旅行を楽しむ」みたいなステレオタイプなお金の使い方をするのではなく、本当に自分がやりたいことだけにお金を使えばいい。
旅行がそれほど好きでないなら、無理して旅行する必要はない。
「3.投資信託は『高配当』ではなく『再投資型』を選ぶ」は、最近は「高配当投資信託」が人気だが、税金の面でみるとデメリットがある。
配当金や分配金をもらうと、もらった額に所得税・住民税がかかることだ。
再投資型の投資信託なら、売却しない限り非課税だし、売却しても利益の部分だけに課税されるだけだ。
例えば、配当金・分配金を5万円もらったら、5万円に課税される。
一方、投資信託を5万円売却して利益が2万円なら、利益の2万円の部分に課税されるだけだ。
わたしは資産運用で持っている主力の投資信託は配当金が出ない「再投資型」だ。
本書では「分配金が出ると使ってしまうから」という理由で分配金は避けるべきとしている。
資産を増やすことを目的に投資をしているのに、分配金をもらってしまったら、手元のキャッシュフローを増やす結果になり、それで喜んで使ってしまえば、本来の目的の「資産を増やす」ことから遠ざかってしまいます。
もちろん「配当金をもらえる喜び」はあるので、高配当型の投資信託を好むことは否定しない。