大金持ちなのに狭い賃貸に住み続ける男のドケチ蓄財法

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町家

井原西鶴『日本永代蔵』 (角川ソフィア文庫, 2009) に収められている「世界の借家大将」というエピソードを読んだ。

億万長者なのに、なぜ狭い賃貸に住み続けるの?

千貫という大金を持ちながら京都で二軒間口の借家に住み続ける男「藤市」のドケチな蓄財法をまとめた話だ。

「千貫」というのは今で言う「億単位以上のお金」くらいに思っておけばいいと思う。

江戸時代でも「お金持ちは豪邸を構える」というのが常識だったようで、大金を持っているのに狭い賃貸住宅に住み続けるのは珍しかったのだろう。

本書で紹介されている蓄財法をすべて紹介すると「ネタバレ」になってしまうので、いくつかを紹介したい。

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情報収集力で人気者に

彼は借りている住宅兼商店で商売をしていた。

自宅の前を通りかかる両替屋の手代(使用人)から銭相場(現代で言えば為替相場)を聞き、米問屋の手代からは米相場を聞くなど、さまざまな相場の情報を熱心に収集して帳面に記録していた。

そのおかげで、「相場の情報は藤市が一番良く知っている」という評判が立ち、京都中から重宝されるようになった。

いつの時代も、情報収集能力・発信力がある者のところにお金が集まるものなんだな。

ちなみに、彼が相場情報を記録するのに使っていた帳面は反古紙(書き損じの紙)だ。

今で言えば「コピー用紙の裏紙」か「折り込みチラシの裏」で作ったノートだ。

ケチ。

イベントに乗らない

当時は「初物を食べると寿命が伸びる」という言い伝えがあったので、初夏の京都では初物のナスが売れていた。

ただし、初物のナスは人気商品なので値段が高い。

ふつうの人はナスを2個買うのに彼は1個しか買わなかった。

彼が言うには、「余ったお金で旬の安い時にもっと大きなナスが買える」。

ケチ。

娘をドケチに教育

彼には一人娘がいたが、寺子屋には通わせずに自分で教育した。

教育費を節約したわけだ。

教育内容も「ドケチ」だ。

彼女が「旅行好き」になって無駄遣いしないように旅行ガイドブックを見せないようにした。

また『源氏物語』や『伊勢物語』といった恋愛物語も見せないようにした。

彼女が浮気症になって将来結婚した時に離縁されたりしないようにするためだ。

ドケチ教育の結果、彼女は遊ばない、質素な女性になったとさ。

いずれ女の子は遊ばすまじきものなり。

ケチ。

「おもてなし」しない

近所の人々が藤市に「息子たちに大金持ちになるための心がけを教えてやって欲しい」と、彼らの息子3人を藤市の家に訪問させた。

藤市は3人に大金持ちになる秘訣を語り、やがて夜も更けてきた。

彼が最後に言うには、

もうそろそろ夜食でも出る時分だが、それを出さないのが長者になる心がけだ。

話の落ちがケチ。

お金持ちになる秘訣を簡単にまとめると2つ。

  • 仕事で手を抜かない
  • 無駄遣いしない・家族に無駄遣いさせない

たったこれだけ。

本当に京都人?

この話を読んで少し違和感を感じた。

「京都人がここまで率直にドケチの秘訣を他人に語るのかな」という違和感だ。

藤市は大坂人で、京都に引っ越してきたんじゃないかな。これはわたしの空想だが。

とにかく、ドケチに貯金する方法を学びたい人にはおすすめの一冊だ。

小説として楽しめて、蓄財の役に立つ、一石二鳥のお得な本だ。

現代語訳がついているので、古文が苦手でも読める。

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