自分の金融資産を守るため、中国株の暴落をどのように解釈すればよいのか。
「歴史に学べ」ということで、茂木誠『経済は世界史から学べ!』(ダイヤモンド社 2013) を読み返している。
中国王朝の興亡
本書の”公共事業の功罪―帝国興亡の「法則」”を読んでみる。
中国王朝が滅ぶ原因のひとつは「対外戦争のやり過ぎによる財政破綻」らしい。
つまり、
官僚機構の肥大化と軍事費の拡大→増税と民業圧迫→景気後退と貧困層の拡大→農民暴動と軍の離反→王朝崩壊
p.172
というパターンがあるとのこと。
戦争のやり過ぎで「官僚機構の肥大化と軍事費の拡大」が発生する。つまり「政府の浪費」が止まらなくなる。
戦費は「増税」で調達する。
人民はお金を取り上げられるので景気が悪くなって貧困化する。
農民の不満が爆発して暴動が起ったり、軍が反乱したりする。
そして、王朝が崩壊する。
現在の中国はどのあたり?
現在の中国王朝である中華人民共和国はどのフェーズだろうか。
わたしには「景気後退と貧困層の拡大」の初期にあるように思える。
本書のパターン通りになるなら、近い将来「農民暴動+軍の離反」が起こるのかもしれない。
滅亡を先延ばしにするための策
日本と違って易姓革命が発生する中国大陸では王朝の滅亡は宿命だ。
滅亡を先延ばしにしたければ「フェアな株式市場を構築」すべきじゃないだろうか。
上海総合指数が暴落した時、大半の上場企業の株式が取引停止になるという事態が発生し、自由主義国家の投資家が驚いた。
ふつうの資本主義国家はバブル崩壊が発生しても克服してきた(日本は20年以上かかっているが……)。