わたしが40代前半で早期退職するまでの経緯を簡単に振り返る。
退職を決断したのに、実際に退職することをずるずると先延ばしても何もいいことがない、という話だ。
あくまでもわたしの経験上では。
わたしは退職すると決断してから実際に退職するまで5年かかった。
今から考えると、非常にもったいなかった5年だと思っている。
迷いすぎ(笑)。
モチベーションがゼロの日々
「会社を辞めたい」と思い続けると、仕事のモチベーションが非常に下がる。
心はすでに会社から離れてしまっている。
でも、会社に所属している以上、出勤して仕事をしなければならない。
モチベーションはゼロに近いから、仕事が遅くなる。
なぜ、ここ(会社)にいなければならないんだろう?
と疑問を感じながら、やる気のない仕事をこなす日々が続く。
体調が悪くなる
心は一刻も早く会社を辞めたいと思っている。
しかし、実際は退職していない。
退職願望があるのにできていない状態が長期間続くと、体調が悪くなる。
考えていることとやっていることのギャップが大きくなると体調が悪くなるのは当然だ。
もっと自分を大切にすればよかった、と反省している。
退職できなかった2つの理由
なぜ、退職を決断してから退職するのに5年もかかったのか?
大きな理由は2つあった。
- お金と地位への執著
- 退職を上司に申し出る勇気のなさ
既得権益への執着
「お金と地位への執著」は、サラリーマン(特に正社員おじさん)なら、誰でも持っているだろう。
要するに「安定収入」と「正社員の地位」を捨てたくなかったのだ。
「逃げ切り計算機」のような資産運用シミュレーターで「ぜいたくしなければ、当面はお金の心配はない」という結果が出ても、「安定収入」と「正社員の地位」という既得権益は捨てるのは辛かった。
新卒で就職して20年近く「給料がもらえるのは当たり前」という生活をしてきた。
簡単に退職はできない。
「執着心」がべっとりとこびりついていた。
「退職したい」と言えない
2つ目の「退職を上司に申し出る勇気のなさ」とは、つまり、上司に「退職したい」と言いづらかった。
転職経験がないから、退職経験もなかった。
中年になって「やったことがないことをやる」というのは大変だ。
このまま退職を引き伸ばしてずるずると定年まで無駄な時間を過ごすのか……。
辞めなければ、給料がもらえるし退職金も満額支給される。
しかし、「自由時間」という最大の財産が無駄に消えていく。
「お金がもらえたら人生を棒に振ってもまあいいか……。」
と早期退職をあきらめかけていた。
早期退職できたのは「運」
結局、40代前半で早期退職できたのは「運」だった。
以前の記事でも書いたが、上司に退職を言い出せずに悶々としていたある日のことだった。
偶然、会議室で上司とわたしだけの2人になることがあった。
「今しかない!」
と確信したわたしは、上司に退職を申し出た。
今(2016年)は退職してから5年、退職を決断してから10年が過ぎた。
「辞めてよかった」という思いが強くなるとともに「もっと早く辞めたかった」という後悔がある。
教訓:人生は有限、決断したらすぐ実行
<参考文献>