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次に、Cが何回か負けた後に優勝する場合を考える。
具体的には、1敗した後に2連勝、2敗した後に2連勝、、、n敗したあとに2連勝、というケースがある。
Cが何回か負けた場合の優勝確率
まず、Cが1敗した後に2連勝する場合を考える。
対戦カードと勝者、敗者はこうなる(1回戦でAが勝つ場合)。
上記の結果になる確率は、勝利確率1/2で6回戦行うから、
(1/2)6=1/64
1回戦でBが勝ってCが1敗した後にCが2連勝する確率も1/64だから、「Cが1敗した後に2連勝する確率」は、
1/64+1/64=1/32
となる。
※※
次に、Cが2敗した後に2連勝する場合を考える。
対戦カードと勝者、敗者はこうなる(1回戦でAが勝つ場合)。
6回戦でCが負けて2敗となった後にCが2連勝するには9回戦まで必要だ。
だから、上記の結果になる確率は、
(1/2)9=1/512
1回戦でBが勝つケースも加えると、「Cが2敗した後に2連勝する確率」は、
1/512+1/512=1/256
となる。
Cが優勝する確率は?
以下、Cがn敗して2連勝する確率を求める。
Cが0敗して2連勝する確率=1/4
Cが1敗して2連勝する確率=1/32
Cが2敗して2連勝する確率=1/256
Cが3敗して2連勝する確率=1/2048
……
Cが100万敗して2連勝する確率=???
と言った具合に、無限に続く(医学的には不可能だが、理論的には可能ということで)。
上記の対戦カードを見ると、Cが負けた後に2連勝するにはさらに3回戦必要となる。
Cが1敗するたびに、Cが2連勝する確率が1/8に減っていく。
例を挙げると、
(Cが1敗して2連勝する確率)=1/32=(Cが0敗して2連勝する確率)×(1/8)=(1/4)×(1/8)
(Cが2敗して2連勝する確率)=1/256=(Cが1敗して2連勝する確率)×(1/8)=(1/32)×(1/8)
……
(Cが(n+1)敗して2連勝する確率)=(Cがn敗して2連勝する確率)×(1/8)
と無限に続いていく。
無限に続くものを数えるのは無理なので、数学の公式を使う。
「Cが優勝する確率」は、初項=1/4、公比=1/8の無限等比級数の和となる。
よって、Cが優勝する確率PCは、無限等比級数の和の公式より、
初戦の対戦者が優勝する確率
Cが優勝する確率がわかれば、初戦に対戦したA、Bが優勝する確率もわかる。
Aが優勝する確率PA、Bが優勝する確率PBは同じだから、
最初に対戦したA、Bが優勝する確率はともに5/14だ。
一方、Cが優勝する確率は4/14なのでA、Bの優勝確率5/14よりも少ない。
よって、巴戦は最初に対戦した2人が有利、初戦を戦えない者が不利なシステムだということが証明された。
※この巴戦の問題は2016年の東大の入試でも出題されたそうだ。