『一生お金に困らない人 死ぬまでお金に困る人』(中嶋よしふみ(著),大和書房,2016)を読んだ。
本書を購入して読んだ理由は、次の言葉に惹かれたからだ。
断言します。お金を貯めるべき理由は二つだけです。一つは、やりたいことをやるため。もう一つは、やりたくないことをやらないためです。
※強調は引用者による。
なぜ貯金をしなければならないか?
その理由を、こんなに簡潔で適切な言葉で表現している。
セミリタイアに貯金が必要な理由
セミリタイア生活を実現するためにお金を貯める理由もまったく同じだ。
会社を辞めて収入が減っても、やりたいことをやり、やりたくないことをやらなくていい生活を送るためだ。
通勤、長時間労働といった「やりたくないこと」をやめ、平日の昼寝(笑)や平日の旅行といった「やりたいこと」をやる。
節約ばかりでは心が貧しくなる
本書の著者はファイナンシャルプランナー(FP)だ。
一般的に、FPが書いた本は「節約至上主義」のような内容が多い。
無駄遣いしている人に説教して出費を削らせるといった本だ。
しかし、本書は他人に「節約」や「無駄遣いするな」という価値観を押し付けるようなお節介はない。
逆に、節約したせいでかえって貧しくなる場合もあるという。
人生の目的が「お金を増やすこと」になってしまうような場合だ。
FPとしては「心が貧しくなるような節約だけはしないように」アドバイスをしておきたいと思います。
それは、お金が手段ではなく、目的となるような本末転倒な話であると同時に、心の貧しさはお金を遠ざけます。シンプルに言うと、収入を下げる可能性が高まります。
稼いだお金や貯金を何に使うかは本人の自由だ。
好きなことにお金を使えて、その上で、本書を読んで「お金の教養」を身につければお金に困るようなことはない。