セミリタイア生活の極意について、『ブッダのことば』(中村元(訳), 岩波文庫, 1984)で学んだ。
ブッダが生きていた時代には「セミリタイア」というライフスタイルはなかったと思う。
が、本書にある「出家者の心得」を語った言葉が、そのまま「セミリタイア生活の心得」として役に立つ。
そのブッダの言葉は次のとおり。
仕事を減らせ
ブッダの言葉を紹介する。
足ることを知り、わずかの食物で暮し、雑務少なく、生活もまた簡素であり、諸々の感官が静まり、聡明で、高ぶることなく、諸々の(ひとの)家で貪ることがない。
出典『ブッダのことば スッタニパーダ』(岩波文庫), 第一章 蛇の章「八、慈しみ」, p. 37
「足ることを知り」というのは欲望を膨らませすぎず、分相応で満足することだ。
「わずかの食物で暮し」は、食費を抑え、過食にならず健康的に暮らすと解釈した。
「雑務少なく」という言葉はセミリタイアの本質を突く言葉だ。
「雑務」というのは「なすべき仕事・義務」を意味する。
ブッダは「仕事や義務を減らせ」と言う。
やるべきことを減らせ……はい!わかりました!
貪欲にならず静かに暮らす
「生活もまた簡素であり、諸々の感官が静まり、聡明で、高ぶることなく」は、「シンプルに暮らし、感情的になるな」という意味だと思う。
「諸々の(ひとの)家で貪ることがない」は、出家修行者が「托鉢」で家を回って施し物をほしがるな、という意味だ。
要するに、「モノに貪欲になるな」と戒めている。
まとめ
ヘタな人生論やセミナーより「ブッダの言葉」だ。